30代会社員のなおつんです。
私はメーカー勤務の傍らで個人投資家として米国株や投資信託などを数百万円ほど運用しています。
今回はソーシャルレンディングの「大家.com」について特徴を解説していきます。
このサービスは「株式会社グローベルス」が運営し、投資家から集めた資金を元に不動産を取得・購入し運用する不動産投資型クラウドファンディングです。
「クラウドファンディング」と「ソーシャルレンディング」の違いは、サービスを提供する業者によって変えているものや、最終的な投資先が自社不動産か他社への金銭融資かによって区別されていますが、ここでは明確に区別はしていません。
他のソーシャルレンディングについてもっと学びたい方は、別の記事で詳しく解説しているので参照してください。
「大家.com」の概要

出典:大家.com
2020年10月29日に新しくサービスを開始したばかりの「大家.com」は、12月14日に初めて第1号ファンドが募集開始されました。
すでにソーシャルレンディングやクラウドファンディングを知っている方にとっては大家.comで特別に新しい事はありませんが、サービスの簡単に仕組みをおさらいしておくと以下の図で表すことが出来ます。
今回の大家.comの場合だと投資家はクラウドファンディング業者を通じて不動産の購入・運用を行いそこで得られた家賃収入などの利益を投資家に分配するという仕組みです。
業者は営業手数料として利益の一部を受け取るというビジネススキームです。
この仕組みによって投資家に分配される金額の相場は投資金額に対して2~10%程度となっており、業者によってかなり幅があります。
「大家.com」第1号ファンドの概要は?
大家.comがサービスを開始してから最初に公開した第1号ファンドの概要は以下の通りです。
予定分配利回り:4.00%
募集金額:200,000,000円
想定運用期間:12ヵ月
最低出資金額:10万円(1万円×10口)
募集期間:2020年12月14日~2020年12月22日
投資家登録が済んでいないとファンドの情報を閲覧できるのは上記のみです。
例えばこのファンドに10万円運用した場合は、運用が終了した1年後には投資元本と合わせて104,000円が返ってくる事になります。
ここからさらに20.42%の税金が引かれて、最終的に残るのは3,183円となります。

「大家.com」の特徴
ここからは大家.comの特徴をさらに詳しく紹介していきます。
最低出資額は1万円から
「最低出資金額1万円」というのは大家.comの公式ページからも確認出来ますが、後で紹介する第1号ファンドの最低出資額は10万円となっています。
この矛盾については最初のファンドだけだと思いますが、今後のファンドは1万円からの出資が出来ると思われます。

出典:大家.com
今後大家.comが募集するファンドの最低投資額は10,000円である場合、投資初心者にとってはかなりハードルが低いといえます。
投資の世界では元本が小さいとその恩恵は受けにくい構造になっているので、もっと収益を出したければ出資額を大きくするしかありません。
ただし投資初心者の場合は、いきなり大金を出資するのではなく余裕資金で少額から始める事を強くお勧めします。
優先劣後方式を採用している
大家.comが募集するファンドは「優先劣後方式」を採用しています。
優先劣後方式については関連記事でも詳しく解説していますが、投資家の元本の安全性をかなり高めリスクを軽減してくれる仕組みです。
不動産を売却する時に万が一損をが出た場合は、サービスの運営会社である株式会社グローベルスが一定の割合までの損害を負担してくれるので投資家の安全性は高まります。
もちろんそれ以上の損害に関しては投資家も被害を受ける事になるので絶対安全ではありません。
利回りは平均程度か?
先ほど紹介した第1号ファンドの利回りは4.00%ですが、今後募集されるファンドがどのくらいかは予想できません。
予想ですと、クラウドファンディングの平均的な4~6%の利回りになると思われますが、これらの利回りは株式投資や投資信託の利回りとほぼ同じリターンとなります。
運営会社の概要
A fundingを運営する「株式会社AMBITION」ついても紹介します。
以下が会社の概要です。
会社名:株式会社グローベルス
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目7番12号虎ノ門ファーストガーデン11F
代表番号:03-5720-7250
代表取締役社長:藤田 賢一
資本金:1億円
設立:1996年7月10日
事業内容:不動産売買事業・中古住宅再生事業・商業施設建築事業・不動産仲介事業・コンサルティング事業・不動産クラウドファンディング事業
関連会社:株式会社プロスペクト(東証2部上場)
株式会社グローベルスの関連会社として、東証2部上場している「株式会社プロスペクト」があります。
この会社の関連性は親会社と子会社の関係で、プロスペクトが親会社、子会社がグローベルスとなりグループ会社で不動産事業を手掛けています。
親会社であるプロスペクトの2020年3月期の直近の決算状況は以下の通りです。
総資産:29,764(百万円)
有利子負債:12,779(百万円)
純資産:15,369(百万円)
計算上の自己資本比率:51.6%
売上高:6,731(百万円)
営業損失:△1,281(百万円)
当期純利益:237(百万円)
自己資本比率が51.6%あるため、比較的借金が少なく財務状況は健全と思われます。
一方で利益に関しては、総資産に対しての純利益が少ないため、大きな資産があっても利益が出にくい状況が課題である事が見えてきます。

計算上の総資産利益率は0.8%程度なので、会社の資産は潤沢にあってもうまく運用出来ていないかも!?
投資のリスク
ソーシャルレンディング及びクラウドファンディング投資において必ず理解しておかなければいけないのが「投資のリスク」です。
全てのソーシャルレンディング投資にもいえる事ですが、最大のリスクは事業者の貸し倒れや運用の失敗です。
業者を通して出資したお金ですが、もし事業者の業績が振るわなくなったり資金繰りが悪化した場合は、投資したお金が投資家に戻ってこなくなる可能性があります。
今までにこういった貸し倒れなどの事故が発生していない業者であっても、今後も安全性を保証するものではありません。
ソーシャルレンディングを運営する大手の企業であっても過去に貸し倒れなどの事故も実際に発生しています。
リスクとリターンを各自で判断して投資されるようにお願いいたします。
さいごに
大家.comの特徴をおさらいしておきます。
・1万円からの少額投資が可能(最初のファンドはなぜか10万円から)
・優先劣後方式で安全性が高い(絶対安全ではない)
・利回りは4%~と平均並みだと推測
今後はどのようなファンドが出てくるのか楽しみです。

「大家.com」に興味がある方は一番下にリンクを貼っておくので、投資家登録から始めてみましょう。
このブログでは会社員や学生さんの役に立つ情報や考え方を発信しています。
ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。