脱炭素テクノロジー株式ファンド(カーボンZERO)は買いの投資信託か?

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30代会社員のなおつんです。

「脱炭素テクノロジー株式ファンド(愛称:カーボンZERO)」という投資信託が気になったので、ファンドの概要や直近の成績などを検証していきます。

私は資産運用をこのブログで公開しているので、興味がある方は関連記事をぜひご覧ください。

「脱炭素テクノロジー株式ファンド(愛称:カーボンZERO)」の概要

「脱炭素テクノロジー株式ファンド(愛称:カーボンZERO)」は大和アセットマネジメントが設定・運用しているファンドです。

近年は環境に配慮した企業への投資が盛んに行われるようになり、それに伴ってこういうファンドをよく目にするようになりました。

このファンドの特徴は以下のとおりです。

ファンド名:「脱炭素テクノロジー株式ファンド(愛称:カーボンZERO)」
運用会社名:大和アセットマネジメント
販売会社:SBI証券、大和証券、三菱UFJ信託銀行など

主な投資先:国内外の株式
純資産総額:761億円(2022年1月現在)
為替ヘッジ:なし

設定日:2021年7月12日
決算頻度:年2回(1月、7月)
購入時手数料:3.3%(税込み)

信託財産留保額:なし
信託報酬:1.837%(税込み)

 

このファンドはファミリーファンド方式という方式で運用しており、「脱炭素テクノロジー株式マザーファンド」を通じて、日本を含む世界の株式に投資する事になります。

 

上位組入銘柄

脱炭素テクノロジー株式ファンドが実質的に投資を行う企業の上位10社は以下の通りです。

MICROSOFT CORP(アメリカ):5.3%
THERMO FISHER SCIENTIFIC INC(アメリカ):3.6%
ASML HOLDING NV(オランダ):2.8%
AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC(アメリカ):2.6%
TRIMBLE INC(アメリカ):2.4%
WASTE MANAGEMENT INC(アメリカ):2.4%
KONINKLIJKE DSM NV(オランダ):2.3%
ON SEMICONDUCTOR CORP(アメリカ):2.3%
SCHNEIDER ELECTRIC SE(フランス):2.2%
NEXTERA ENERGY PARTNERS LP(アメリカ):2.2%

上位組入銘柄の多くがアメリカの企業で、セクターとしては「情報技術」のほかに「ヘルスケア」「素材」「資本財・サービス」「公益事業」が含まれています。

 

為替ヘッジはしない

このファンドは「為替ヘッジなし」なので、為替の変動が運用成績に影響をあたえます。

為替ヘッジに関しては関連記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

 

直近の運用成績は?

「脱炭素テクノロジー株式ファンド」の直近の成績は、設定来から2022年1月までの基準価額のチャートは以下のようになっています。

このファンドが誕生した2022年7月12から現在2022年1月までのS&P500指数との比較で見ると、ほぼ横ばいという状況です。

2021年10月以降はこのファンドがS&P500を引き離していますが、直近ではS&P500よりも下回っている事が分かります。

米国の金融政策の影響や新型コロナウイルスのオミクロン株の懸念で不安定な状況が続いています。

 

ちなみに、このファンドの純資産額は順調に伸び続けており、現在は761億円を超えています。

 

ファンドについて「モーニングスター」の記事の抜粋

このファンドについて「モーニングスター」が特集記事を出していたので、気になった文章をいくつか抜粋します。

世界共通課題「脱炭素」がパフォーマンスに追い風

大和アセットマネジメントのアドバイザリー運用部シニア・ファンドマネージャーの野口真紀氏とニューヨークライフ・インベストメントのディレクター プロダクト・スペシャリストの佐々木遼哉氏によると、欧州で環境関連の国際会議が開かれた7月、また、「COP26」が開催された10月末から11月上旬には類似指数を大きく上回るパフォーマンスになったとあります。

これだけ世界各国が「脱炭素」を謳っている社会情勢を踏まえると、それに伴って関連企業への投資が加速する事への期待感が投資家の間で持たれています。

 

2050年まで約1.5京円の莫大な関連投資

脱炭素への投資は2050年までに1.5京円が見込まれているとの事です。

また、今後5~10年の間には年率6~7%以上の高い成長がある事も示唆されており、世界の株式指数であるMSCI ACWIと比較したシミュレーションでは、運用の効率を表すシャープレシオが0.94なのに対して、このファンドは1.73と大幅に上回る結果となっています。

 

なおつん(左)
なおつん

シャープレシオとは、「リターン/リスク」で表し、簡単に言うとリスクに対してリターンがどのくらい期待できるかという指標です。
数値が高い方が投資効率が良いとされています。

 

「脱炭素テクノロジー株式ファンド」の総評は?

「脱炭素テクノロジー株式ファンド」は、温室効果ガスの削減につながるソリューション(解決策)を提供する企業を選定して投資を行う方針で運用されているため、アクティブ・ファンドに分類されます。

アクティブ・ファンドは長期的な視点で見るとインデックス・ファンドに運用成績が負けるという研究データがあるので、このファンドを購入する時は慎重に検討が必要です。

 

一番の懸念点は「信託報酬」の高さ

このファンドの購入を検討する時の一番の懸念点は「販売手数料」や「信託報酬」などの運用手数料が、他のインデックス・ファンドと比較しても高い事です。

上のグラフは、2つの同様のファンドの信託報酬の差がどのくらい運用成績に影響を与えるのかを比較したグラフですが、長期間で運用すればするほど運用コストの差が成績に響いてきます。

脱炭素テクノロジー株式ファンドは、全世界の株式に投資するファンドですが、アメリカを代表する指数「S&P500」と比較して同等の成績と仮定すると、長期運用の場合は大人しく低コストインデックス・ファンドを購入した方が良さそうです。

投資の本質を見極める

「環境問題を解決する投資」や「AIで次世代に投資」など様々なテーマを持った新しいファンドが次々と生まれています。

しかし、どんな魅力的なファンドが誕生しようとも、投資家が一番気にしなければいけないのはリスクとリターンの割合です。

上記のようなテーマ型ファンドは、ファンドマネージャーが積極的に運用するアクティブ・ファンドがほとんどなので、短期的なリターンは高くても信託報酬などのコストが高くて結局は指数よりも低い成績になるという事もあり得ます。

「脱炭素」「SDGs」「AI」「5G」などの魅力的なキーワードを使ったファンドというのは、それだけ慎重に判断が求められる事になるので、実は投資上級者向けの投資手法になります。

 

結局インデックス・ファンドが良い理由

インデックス・ファンドは「S&P500」や「MSCI・コクサイ」といった株式指数に連動した成績を出します。

S&P500に連動するインデックス・ファンドを購入すれば、アメリカの大手500社に一括して投資する事が出来ます。

果たしてこの500社は環境やAIなどには全く興味がなく、自分達の利益だけを優先している企業でしょうか。答えは「NO」です。

大手企業とあれば、なおさら環境やAIといった分野に関心がある事は間違いなく、社会的な責任を果たすために積極的に取り組んでいるはずです。

つまり投資家は、「脱炭素テクノロジー株式ファンド」のように、あえて「脱炭素」という名前のついたファンドに投資をしなくても、S&P500のような指数に連動しているファンドを買うだけで、ふたを開けてみれば同様の企業に投資をしているのとなんら変わらないという事は珍しくありません。

初心者であれば大人しく低コストのインデックス・ファンドに投資をしましょう。

 

まとめ

今回紹介した「脱炭素テクノロジー株式ファンド(愛称:カーボンZERO)」は、地球環境などの社会問題に積極的に取り組みをしている企業へ投資が出来るファンドです。

短期的に見るとこのファンドの方が成績が良い事もありますが、長期的な視点で考えると慎重に判断した方が良いかも知れません。

この理由としては、購入時手数料や信託報酬など、投資家が負担する手数料が一般的なインデックス・ファンドと比較しても高いという事です。

興味があればぜひ別の関連記事を読んでいただきお役に立てればと思います。

なおつん Lv.若手平社員

30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。

私は製造業(メーカー)の営業系の部署で働いており、年に数回海外出張もします。

個人投資家として様々な投資案件もチャレンジしてFIREを目指して奮闘中です。
会社員や投資家の方にとって有益な情報を発信しています。

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