30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
今回は日本のDIYや家庭用品を支える「株式会社エンチョー」について有価証券報告書に書いてあることを抜粋しながら紹介したいと思います。
日本一の山と言われる富士山の麓にある静岡県富士市に本社を置き、ホームセンターと専門店を主軸に事業展開をしています。
「エンチョー」の事業内容と直近の業績
エンチョーの事業は主に「ホームセンター事業」、「専門店事業」、「ソフトウエア開発事業」、「ビルメンテナンス事業」、「不動産賃貸業」となっておりそれぞれの子会社によって事業を展開しています。
エンチョー連結の業績は以下の通りです。
また各セグメント別の売上高の割合はそれぞれ以下のようになっています。
※セグメント間の売上を含む
静岡県を中心に愛知県や神奈川県にも「ホームセンター事業」と「専門店事業」の店舗展開をしており、この2つの事業だけでグループ全体の約95%もの割合を占めている特化事業と言えるでしょう。
経常利益が前年比の約22.4%まで落ち込んでいる事から当期純利益も約354億円の赤字となっています。
これの原因は2019年の暖冬による季節商品の売上が伸びなかったことや同年の10月に実施された消費増税の影響があったとしています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響によって一部の商品の需要と供給のバランスが一時的に崩れた事も影響してします。
グループ全体の規模は小さいもののソフトウェア開発事業はシステム改修費の受注増加によって売上高が前年比148.8%の実績となっています。
追加情報として、2020年7月29日に発行された最新の四半期決算短信では、売上高、経常利益、純利益ともに大幅な増収増益となっており、コロナに負けない回復の兆しがすでに見えています。
新型コロナウイルス感染拡大によって感染防止に関連する商品や「巣ごもり消費」におけるDIY商品、園芸用品、収納家具の売上が好調に伸長した結果となっています。
中長期計画
エンチョーグループは「地域社会の生活インフラを担うべく、住生活に役立つ情報の発信を行い。地域の人々の快適な住まい・暮らしをサポートする企業グループとなること」という基本方針をもとに、競争力のある商品、情報、サービス面をより充実させた店舗づくりと経営の効率化を図っていくとしています。
具体的な中期経営指標は売上高400億円、営業利益10億円、自己資本利益率5%超を目標としています。
事業のリスク
エンチョーの事業のリスクについて理解しておきましょう。
保有土地の含み損リスク
エンチョーグループはホームセンター店舗を運営するための土地を123億円ほど所有していますが、バブル経済が崩壊した際の地価下落によって多くの含み損を抱えている状況です。
簡単に説明すると、土地を買った後にその土地の値段が下がって会計上の損が出ているという事です。
しかし主な目的が土地の販売ではなくホームセンターの店舗となっている事からホームセンターの営業が続く限りでは大きな問題にはならないでしょう。
為替変動リスク
エンチョーで扱う商品の中には外国から輸入している商品があり、これらは外貨での取引になるため為替の変動によって仕入れコストに大きな影響を与えます。
一般的に円高になれば輸入コストが下がり、円安になれば輸入コストが上がると言われています。
この輸入コストは経費として掛かってきますから無視できない業績の要因となります。
直近ではアメリカ中央銀行の無制限緩和政策なども行っている事から資金が市場に大量に流れ出ており、2020年7月末から多少為替にも影響を与えています。
競合激化と市場のリスク
ホームセンター事業の今後の競争の激化や競合他社の新規店舗の出店などでエンチョーの経営に影響を受ける可能性があります。
また、今後はネット通販などの増加が期待できる一方で、エンチョーが店舗で提供している各種サービスがどこまで付加価値を付けられるかが課題となりそうです。
エンチョーが提供している店舗のサービスには様々なものがあり、工具のレンタル、木材の加工、園芸アドバイザー、住宅リフォーム、自転車のメンテナンスなどがあります。
特質すべき点とまとめ
今回はこの記事を書くタイミングの都合で1年に1度だけ発行される有価証券報告書と最新の四半期決算短信も少し取り上げて紹介しました。
最新の情報からも新型コロナウイルスの影響をも吹き飛ばす強い企業である事が分かったのと、その一方で今後は顧客ニーズが変化する中でも安定的な経営の効率化と事業拡大が課題になってくると思います。
その上で、エンチョーは一部の地域にのみ店舗展開をしている事から通販やインターネット販売が主流になってきても、より地域に密着したサービスの拡充が差別化を図る上でも重要になってくると思います。
その中で現在取り組んでいるアドバイザーの育成など一人ひとりのニーズに合わせた温もりのあるサービスの提案が出来るように期待しています。
このブログでは会社員や学生さんの役に立つ情報や考え方を発信しています。
ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。