近年、高配当を狙う投資家の注目を集めているETFのひとつが、証券コード2865の「グローバルX NASDAQ100・カバード・コールETF」です。これは、米国の代表的なハイテク株指数「NASDAQ100」に連動しつつ、オプション取引を活用して毎月の分配金を増やすことを狙ったユニークな投資商品です。
1. グローバルX NASDAQ100・カバード・コールETF(2865)とは?
1-1. ETFの概要
このETFは、米国の大型ハイテク株を中心に構成される「NASDAQ100指数」に連動し、さらにカバード・コール戦略を組み合わせている点が特徴です。カバード・コール戦略とは、保有する株式に対してコールオプション(買い手に将来の一定価格で株式を売る権利を与える契約)を売ることで、オプション料(プレミアム)を得る投資手法です。
これにより、市場が横ばいあるいはやや下落傾向の局面でも、安定的な収入を得やすくなっています。
1-2. 運用会社と上場市場
- 運用会社:グローバルX
- 上場市場:東京証券取引所(東証プライム)
- 信託報酬(経費率):約0.16%と低コスト
- 分配頻度:毎月分配
2. どうして高分配?カバード・コール戦略の特徴
カバード・コール戦略を採用する最大のメリットは、オプション料(プレミアム)収入によって分配金が増える点です。通常のNASDAQ100連動ETFと比べて、利回りは10%以上と高水準を誇ります。
ただし、オプションを売るため株価が大きく上昇した際には、その利益の一部を手放すことになるため、アップサイドが制限される点は理解しておきましょう。
3. 投資メリット
- 毎月分配で安定した収入が得られる
株価の値上がり益に加え、オプション料収入も配当に回るため、毎月のキャッシュフローが見込みやすい。 - NASDAQ100の成長株に投資できる
AppleやMicrosoft、Amazonなど世界を牽引する銘柄が中心。 - 信託報酬が低めでコスト効率が良い
0.16%は日本の同様のETFと比較しても割安感あり。
4. 投資リスク・デメリット
- アップサイドキャップ(利益制限)
オプション売却で得るプレミアム分はメリットですが、株価が大きく上昇したときの利益は抑えられます。 - 下落リスクはある
株価下落時にはカバード・コール料だけではカバーしきれず、基準価額は下がる。 - 価格の変動が大きい
NASDAQ100のハイテク株はボラティリティ(価格変動幅)が高い傾向があるため注意。 - 分配金は必ずしも元本からの利益とは限らない
分配原資の一部は元本取り崩しとなる場合もあり、長期保有の際には注意が必要。
5. 過去のパフォーマンス・配当状況
2023年から2025年初頭にかけてのデータでは、分配金利回りが10%超を維持し、比較的安定した分配が続いています。一方で基準価額は上下動が大きく、特に米国金利上昇局面や経済不安の影響で一時的な調整が見られました。
分配金は毎月支払われ、投資家にとってはキャッシュフロー計画が立てやすいのが魅力です。
6. どんな投資家に向いている?
- 安定した分配金収入を重視する人
- ハイテク株の成長ポテンシャルを活かしたいが、リスクも抑えたい人
- ポートフォリオの収益補完を狙う中期投資家
7. 他の投資商品との比較
商品名 | 信託報酬 | 分配頻度 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
グローバルX NASDAQ100・カバード・コールETF(2865) | 約0.16% | 毎月 | 高配当、カバード・コール戦略採用 |
純粋なNASDAQ100連動ETF | 約0.10% | 年1〜4回 | 純粋な指数連動、分配少なめ |
S&P500連動ETF | 約0.03% | 四半期 | 幅広い米国株分散、配当控えめ |
8. 投資時のポイント・注意点
- 分配金利回りだけで判断しない
高配当は魅力ですが、値下がりリスクを必ず考慮しましょう。 - 長期投資ならアップサイド制限を理解すること
株価上昇をフルに享受できないことも念頭に。 - 他の資産と組み合わせて分散効果を高める
債券や国内株式、REITなどとの併用がおすすめ。
9. まとめ
グローバルX NASDAQ100・カバード・コールETF(2865)は、毎月の高分配と米国ハイテク株の成長性を両立したい投資家にとって魅力的な選択肢です。カバード・コール戦略により収益の安定化を図りつつ、NASDAQ100のポテンシャルも活かせるのが強みです。
ただし、価格変動リスクやアップサイド制限といった特徴もあるため、ご自身の投資目的やリスク許容度を踏まえて検討することが重要です。
この記事が、2865のグローバルX NASDAQ100・カバード・コールETFの理解に役立ち、賢い投資判断の一助となれば幸いです。ご質問やより詳細な分析も承りますので、お気軽にお申し付けください。