【投資初心者必須】財務諸表の読み方と企業の業績の評価方法

投資を学ぶのに役に立つ

 

30代会社員のなおつんです。

このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。

今回は投資初心者に必須な知識となる「財務諸表」の読み方や簡単に企業の業績を評価する方法について分かりやすく解説します。

会社の「数字」を知る事で、その会社の本来の姿が見えてくるようになります。

ちなみに今回この記事を執筆するにあたり参考にした書籍は、「学校法人産業能率大学」が発行している「財務諸表の仕組みを理解する」と「財務諸表で会社を評価する」の2つです。

これらの書籍は一般には販売されていませんが、産業能率大学が提供している有料の通信教育を受けた人だけが受け取れる書籍となっているので、今回はその情報を皆さんにも共有出来ればと思います。

なおつん(左)
なおつん

※記事の執筆にあたり書籍を参考にしていますが、表現方法や図などは全て私のオリジナルで編集・作成しています。

また、私は資産運用の実績などもこのブログで公開しているので、気になる方は関連記事もご確認ください。

「財務諸表」とは

「株式会社」などの企業は株主の出資や銀行からの融資を受けて、それを元に設備投資をしたり人材を雇うなどの運転資金にして製品やサービスを生み出して利益を発生させます。

その利益の一部は株主に還元されますが、銀行には借入れしたお金の利息を支払います。

株主や銀行の立場からすると、出資するに値するかどうかを判断する基準が欲しいので、その材料として「財務諸表」の情報を参考にします。

財務諸表には主に以下のものが挙げられます。

・損益計算書
・貸借対照表
・株主資本等変動計算書
・キャッシュフロー計算書

これらは決められたルールで発行する事が法律で決まっているので、誰が見ても同じようにように評価ができたり、別の会社と比較する事も出来るようになっています。

なおつん(左)
なおつん
次項では各財務諸表の概要だけを解説します。
より詳しい解説は後でも登場します。
損益計算書

「損益計算書」は英語でProfit and Loss Statementと訳されるため「P/L」とも呼ばれます。

会社の会計期間においての業績を表す財務諸表であり、商品・サービスなどを販売して得られた「売上」や掛かった経費などの「費用」、最終的な「利益」などを一覧にして計算したものです。

損益計算書で最終的に計算される利益は「当期純利益」といいます。

会社の経理や事業の根幹に携わる業務をしている人であれば、会社の損益計算書の数値は毎日気にしており、会社の売り上げ規模や利益などは大体頭に入っています。

特に部長や役員クラスであれば自分の会社のデータなどを常に把握していないと仕事にならないといわれています。

損益計算書については後ほど詳しく解説します。

 

貸借対照表

「貸借対照表」は英語でBalance Sheetと訳され「B/S」と呼ばれることもあります。

これは決算時点での財政状況を表す財務諸表であり、会社の「総資産」「負債」「純資産」がどれだけあるかを表しています。

例えば、今日の時点で会社の現金はいくらあるのか、売掛金はどのくらいあるのか、借入金はどのくらいあるのか、これらの情報は貸借対照表を見れば残高が一目で分かるようになっています。

貸借対照表の面白いところは、「総資産=負債+純資産」でイコールになる事からバランスシートとも呼ばれます。

貸借対照表については後ほど詳しく解説します。

 

株主資本等変動計算書

株主の一番の関心事は「会社の純資産の大きさ」ですので、会計期間内の純資産の増減の詳細情報を「株主資本等変動計算書」で表します。

 

キャッシュフロー計算書

「キャッシュフロー計算書」は字の通りCash Flow Statementと訳すので「C/F」と表現されることもあります。

会社の現金の流れを表す財務諸表であり、会計期間中に現金をどのように獲得したか、また現金の使い道と最後のいくら残ったかが示されています。

 

会社の利益構造

以下の図のように損益計算書では利益を5段階に分けて表示されているのが一般的です。

5段階の利益構造

一般的に良く聞かれる「売上高」からはじまり、「粗利」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」などがあります。

会社の社長はこれらの利益がどのくらいの割合で推移しているかを計算して、事業が順調なのかそうでないのかの全体像を把握しています。

もちろん投資家や銀行員もこの情報をもとにして、会社の株式を購入するべきか、融資をするべきかなどを判断する事になります。

売上高

「売上高」は商品やサービスを販売した金額の総数の事です。

例えば定価1万円の商品が100個売れた場合、会社の売上高は100万円となります。

自分がお客さんとして500円の値札が付いた商品を購入した場合は、この500円が会社の売上高となります。

会社の運営はまず売上が第一ですので、これがなければ事業としては成立しません。

 

粗利(売上総利益)

「粗利」は会計用語で「売上総利益」とも呼ばれますがどちらも同じ意味です。

これは売上高から原価を引いたものが粗利として計算されます。

例えば1万円で販売した商品の仕入れ価格が2,000円だった場合、粗利は8,000円となります。

販売価格が高ければ高いほど、また原価が安ければ安いほど粗利は高くなります。

 

営業利益

「営業利益」は粗利から「販売費及び一般管理費」を引いて計算されますが、この費用を「販管費」と省略される場合もあります。

この営業利益は、社内の経営層も非常に気にしている数値であり、その理由は投資家である株主など社外の人間に対して会社の本業の業績を表す数値として重要度が高いためです。

会社のオーナーである株主は、営業利益イコール自分の利益と言ってもいいくらい関連性が高いものなので、非常に関心が深いものとなります。

販売費及び一般管理費は、販売活動を行うために掛かった経費や費用の事で、代表的なものは以下の図表に表しています。

会社で働いていると経費という言葉を聞く機会が多くあると思いますが、一般的には上記の費用を含めて経費と一括りに呼ぶことが多いです。

経常利益

「経常利益」は営業利益から「営業外収益」を加算し、「営業外費用」を引いて計算されますが、これは会社全体の実力を表す数値です。

営業外収益と営業外費用は以下の図に表しています。

ちなみに海外と取引がある会社の営業外収益は、為替によって変動する利益や費用を営業外収益(費用)に含めます。

この変動する分を「為替差益(差損)」と表示されて損益計算書で計算されます。

経常利益も営業利益と同様に重要視される数値ですが、予期せぬ営業外の収益などで一時的に業績が良くなる場合もあるので、人によっては経常利益よりも本業の業績を表す営業利益を重視する投資家もいます。

税引前当期純利益

「税引前当期純利益」は経常利益に「特別利益」を加算し、「特別損失」を差し引いて計算されたもので、最終的にはこの利益に税金が掛かります。

そのため、税引前当期純利益は字のまま税金を控除する前の利益です。

特別利益と特別損失は土地や建物などの固定資産や株式の売買などによって得られた利益(損失)の事で、通常の営業活動によって発生するものではありませんが、固定資産の売却などは扱う金額も大きくなる場合もあります。

また、災害などによって工場などが被害を受けた場合は特別損失として計上します。

当期純利益

「当期純利益」は法人税等を支払った後に残る会社の最終的な利益の事です。

会社の業績を評価する際にも頻繁に用いられる数値ですし、株主からの関心も高い数値です。

当期純利益は会計期間1年間のトータルの利益で表しますが、四半期の決算報告では「四半期純利益」として四半期(3カ月間)で稼いだ利益を表す場合もあります。

 

 

キャッシュフロー計算書

企業の財務状況を評価する上でもうひとつ重要な要素が「キャッシュフロー計算書」です。

「キャッシュフロー」とは読んで字のごとく「キャッシュ(現金)」「フロー(流れ)」の事をいい、会計期間においての現金の流れを可視化した財務諸表になります。

キャッシュフロー計算書は企業の資金が何に使われたかを3つの区分によって分けて計算されており、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の区分で分けられています。

会社を動かしているのは資金であるため、資金の流れを理解出来れば企業の状況を詳細に把握する事が出来きます。

次で各キャッシュフロー計算書の詳細について解説していきます。

なおつん(左)
なおつん

キャッシュフローは「CF」と省略される事が多いです。

営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)

営業活動によるキャッシュフローは本業でどのくらいの現金を稼いだかでほぼ決まるので企業の真の実力を計る指標となります。

本業の営業活動によって得られる現金なので、好調な企業は営業CFがプラスである事が望ましいとされています。

逆をいえば営業活動でしか本当のキャッシュ(現金)は稼ぐことが出来ず、これが悪い数値であると後に説明する「投資活動CF」において、積極的な投資が出来ない状況となります。

一方で営業CFがプラスだったとしても必ずしも良好とは限らなく、プラスであっても健全とはいえない場合があります。

それは損益計算書で計算された最終的な利益である「当期純利益」がマイナスの場合はこの時点で本業では赤字になっているので、それでも営業CFがプラスになっているという事は別の理由があります。

その例を挙げると「売掛金」や「たな卸し資産」を減少される事で営業CFが一時的にプラスに転じている場合です。

「売掛金やたな卸し資産が減少=現金を回収」したという事になるので、一時的に手元現金は増えていますが、そもそも当期純利益が赤字の状況なのであまり好ましいとは言えません。

投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)

「投資活動によるキャッシュフロー」を見る事で企業が投資にどのくらいお金を使ったかが分かります。

企業における投資とは、店舗や工場を建てたり、株や債券などの有価証券の購入・売却などがありますが、一般的には前者である事業規模の拡大のための設備投資などを指す場合が多いです。

成長企業や健全な企業は将来の利益を生む設備や人材に投資をしたいので、これを積極的に行っている企業の投資CFはマイナスになる事が多いです。

また、企業は常に成長していく事が必要なので、ある程度の投資は継続的に行う事からも投資CFはマイナスである方が良いとされています。

逆にこれがプラスの場合は、土地を建物などを売却して得られた資金なので企業の成長どころか資金繰りが厳しく資産を売ってまで現金を確保しなければいけない状況にある事が想像できるため、財務状況が良くなく守りに入っている状況といえます。

 

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフロー(財務活動CF)は、営業CFと投資CFの調整のために発生するキャッシュフローです。

工場や店舗などの建設の費用は投資CFとして支出する資金の事をいいますが、これの財源は営業によって得られた利益が元となっています。

営業CFから投資CFを引いて残った資金は、銀行からの借入れの返済などに充てる事が出来ますが、この時に出て行ったキャッシュの事を財務CFと言います。

この場合は財務CFがマイナスとして表記されます。

一方で投資のために銀行からさらに借入れをして資金を増やしたい場合は、現金が手元に増えるので財務CFがプラスになります。

財務CFは借金を返せばマイナスに、お金を借りればプラスになります。

企業の成績や資金繰り状況によってプラスにもマイナスにもなるため、一般的にどちらが良いかという事はありません。

ちなみに財務CFは借入れや返済による増減だけではなく、新規株発行などで株主からの増資によっても増加し、この場合も財務CFはプラスとなります。

 

キャッシュフロー計算書から分かる企業の状態

ここでは3つのキャッシュフロー計算書を見る事で、企業の財務体質が健全かどうかを判断する方法を解説します。

健全な企業

健全な企業は営業によって十分な利益が出ており、さらに未来への投資も出来ている事からキャッシュフロー計算書の傾向は以下のようになります。

本業での成績が良いので営業CFはプラス、投資も積極的に行っているため投資CFはマイナスになっており健全的な運営が出来ているといえます。

成熟した大企業などはこのパターンが多いといえます。

成長中の企業

成長中の企業のCF計算書は以下のようになる傾向があります。

基本的には健全な企業と同じ傾向がありますが、営業で出した利益以上の投資活動が必要なので借入れなどで資金調達をしている結果、財務CFがプラスになる事が多いです。

 

資金繰りが厳しい企業

資金繰りが厳しい企業の傾向は以下の通りになります。

一番影響が大きいのが本業の実力を示す営業CFがマイナスとなっている事です。

それに加えて投資CFはプラスになっているという事は、土地や建物などの資産を売却して運転資金にしている場合もあり、成長への投資が出来ていなく縮小している傾向がみられます。

財務CFですが、上記のように本業で儲からないため借入れなどを増やしている場合はプラスとなりまだ挽回できる見込はありますが、マイナスとなると借金を返すための支払いに追われているという状況が分かります。

 

貸借対照表

損益計算書は会計期間の利益の合計を表す財務諸表なのに対して、「貸借対照表」は決算時点での会社の資産・負債・純資産の総額を表します。

また、資産の合計と負債+純資産の合計が等しくバランスする事からバランスシート(B/S)とも呼ばれます。

実物を見た方が理解が早まるので下に貸借対照表の参考図を示します。

上の図は左側に資産の残高を記載し、右側に純資産と負債の残高を記載しています。

貸借対照表では左右の残高が完全に一致します。

資産、負債、純資産の割合がそれぞれどのくらいあるかを見る事で、その企業の財務状況を把握する事が出来るので、投資家や銀行員も非常に重視している財務諸表です。

資産

「資産」は「総資産」とも呼ばれ、会社が保有している会社の全ての財産の事です。

貸借対照表上では左側に記載されます。

会社の財産は銀行に預けている現金はもちろん、これから販売する製品在庫やそれを作る工場などの固定資産も資産として計上されます。

会社の財務では現金として銀行に預けておくだけではわずかな利息しか生まないため必ずしも現金が潤沢にある事が良いとは言えません。

それよりも、工場や店舗の建設などに投資をして資産を拡大していく事で効率的に収益を生み出す方が会社の成長には欠かせません。

一方で余裕資金が全く無ければいざという時の運転資金が無くなるため経営のリスクは大きくなります。

そのため、経営者は各資産をバランスよく配分して利益を出す判断力と実行力が求められます。

 

負債

「負債」は銀行からの借入金や支払い予定のある費用(未払金)などの事をいい、貸借対照表上では右上に記載されます。

前項の資産の例を挙げると、工場などの建物を建てるためには銀行からお金を借りる必要があります。その時に自己資金だけで事業資金を全て賄えれば良いのですが、起業したばかりだとまだ利益も少なく大きな工場を建てるお金もありません。

銀行から借りてでも工場を建てた方が事業効率が良いと判断した場合は、銀行から借入れをしてその金額が借入金として貸借対照表に計上されます。

この場合、銀行からお金を借りて借入金の残高が増えると同時に固定資産の残高も増えます。

会社の「借入金」は紛れもない「借金」ですが、将来的に収益を生む借金なので必ずしも借金があるからダメな会社とは言えません。

むしろ積極的に借入れをして資産を拡大させる事で事業がうまくいけば、そのぶん収益も上がり借入金の返済もすぐに出来る事になります。

借入金の考え方は会社によっても様々で、後に出てくる「自己資本比率」や「劉不動比率」でも解説します。

 

純資産

貸借対照表の右下に記載されているのが「純資産」です。

前項の「資産」と混乱する事もありますが、純資産とは株主の財産となるものです。

また、会社を創業する時に株主から集めた「資本金」もこの純資産の中に含まれます。

会計上では純資産から負債を引いた金額が純資産になりますが、これを個人に例えると、持ち家や自動車などの全ての財産から借金やローンの金額を引いて残った金額の事です。

 

上の例のように個人の場合で考えると、3,500万円の住宅を購入しそのうち3,000万円がローンの場合、この人の本当の貯金額は500万円ということになり、この500万円が純資産という事になります。

貸借対照表の考え方

貸借対照表の構造とそれぞれのお金の意味をしっかり理解するには、結構じっくりと勉強する事が必要ですが、概略だけでも理解するだけでかなり企業の資産の内訳を把握する事が出来ます。

貸借対照表を別の視点で見ると、「資産をどのように調達したか」が分かるようになっており、先ほどの個人の例だと「3,500万円の資産を調達するために3,000万円を銀行から借入れし500万円を自己資金から捻出した。」と表すことができ、会社の会計でも同じ表現を当てはめる事が出来ます。

例えば会社の場合は、自己資金が無くても大きな工場を建てたり多くの商品を仕入れたりする事が可能です。

それは自己資金から捻出して買ったものと銀行からの借入れして買ったものに分かれます。

いずれにしても会社が購入したものは会社の資産となるので、貸借対照表上では左側に繰り入れされますが、それを購入する資金の出どころを右側に記載する事でバランスするようになっています。

これらの残高が一元管理できるのが貸借対照表となります。

実際の貸借対照表の内容

貸借対照表の全体像を把握するために具体的な項目を記載した図解を紹介します。

左側の資産には現金や売掛金など様々な資産が記載されており、右側には負債としての借入金や引当金、純資産としての資本金などが記載されています。

これらの項目が全てではありませんが、会社が発行する貸借対照表の内容はおおよそこのような事が記載されています。

最初にも説明したように左右の残高が一致するようになっています。

会社の財務分析

ここからは財務諸表を使って会社の業績と財務分析について解説します。

財務諸表を学ぶことで一番役に立つのが、会社を評価できる能力です。

これがある程度でも分かれば、この会社は儲かっているのか、財務的に安全かなどの全体が把握できるようになります。

自己資本比率

「自己資本比率」とは総資産に対して自己資本がどのくらいあるかを示した数値で、以下の計算式で求められます。

自己資本比率 = 自己資本 ÷ 純資産 × 100

 

個人の財産の例で考えてみましょう。

上の図は純資産を解説する時にも登場しましたが、3,500万円の住宅(資産)に対して自己資金(純資産)は500万円ですので、

自己資本比率 = 500 ÷ 3500 × 100 = 14.3 % (少数第2位を四捨五入)

となります。

会社の財務上でも同じで、資産が多ければ自己資本比率が低下し、純資産(自己資本)が少なければ自己資本比率は低くなります。また、負債が多いほど自己資本比率は低くなります。

自己資本比率は会社の財務上の安全性を表す数値で、一般的に40%以上あれば財務上は安全性が高いと言えます。

ちなみに企業の業績が悪化し赤字が続くなどして純資産がマイナスになると、負債残高が資産残高よりも大きくなり、この状態を「債務超過」といいます。

 

有利子負債依存度、負債資本倍率

「有利子負債依存度」「負債資本倍率」は借入金などの借金が純資産に対してどのくらいあるかを表す数値で以下の計算式で求められます。

有利子負債依存度 = 有利子負債 ÷ 純資産 × 100

負債資本倍率 = 有利子負債 ÷ 自己資本

ちなみに会社の決算報告書では負債資本倍率を「デット・エクイティ・レシオ」「D/E レシオ」などと呼ぶ場合もあります。

また「有利子負債」「短期借入金」、「長期借入金」、「社債」などが該当します。

 

上記の計算式を個人の例で考えてみましょう。

簡単に言うと会社が借金にどれだけ依存しているかという指標になります。

個人と会社では負債の意味合いが変わってきますが、財務上の安全性を考えれば負債は少ない方が安全性は高いと評価されます。

業界や業種によって有利子負債依存度の適正値は幅がありますが一般的に50%以上あれば過大だといえます。

また、債務負債倍率は1倍を割っている、すなわち有利子負債よりも自己資本の方が大きければ財務上の安定性は高いと判断されます。

 

流動比率

「流動比率」はすぐに返さなければいけない借金(負債)に対してどのくらいの余裕資金や手元現金があるかを計る指標です。

会社では営業活動での取引きが多くなると現金が流動的に動き、売掛金としての負債や買掛金としての資産の残高などが日々動いています。

そのため手元の現金にはある程度余裕をもっておく必要がありこの余裕度を流動比率で分析する事が出来ます。

 

流動比率の計算式は以下の通りです。

流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

「流動資産」「流動負債」は以下のものが該当します。

 

個人の例でいうならば、来月支払う予定のクレジットカードの残高と銀行預金の関係が非常に近いと思います。

Aさんはカード残高5万円に対して貯金が10万円あるので安心度は高いですが、Bさんの場合は貯金は100万円あってもカード残高が200万円もあるので支払いが厳しくなります。

何度もいうように個人の負債と会社の負債は意味合いが異なるので、一概に流動比率が高ければ優秀な会社とは判断できず、安全性が高い事と収益性は高い事は相反関係にあります。

会社の流動比率は200%程度が望ましいとされます。

当座比率

「当座比率」は前項の流動比率と考え方は同じで、違うところは流動資産の計算式の分子を「当座資産」に置き換えただけです。

当座比率 = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

流動資産は「たな卸し資産」などすぐに現金にならない資産も含まれているため、もっと短期的な負債の支払い能力を見るために当座資産が用いられています。

当座資産とは「現金預金」、「受取手形」、「売掛金」、「有価証券」を指し、より現金に近い資産が該当します。

当座比率が100%を超えていれば短期的な支払い能力は安心と判断できます。

 

会社の収益性分析

収益性とは会社がどのくらい効率的に収益を上げているかの指標となります。

売上が100億円ある会社でも利益がたった1万円では収益の効率が悪く会社の成長スピードも遅くなります。

売上高利益率の考え方としては「売上や資本に対してどのくらいの利益があるか」が基本になります。

ちなみに、前項で説明した流動比率や当座比率は財務の安全性を計る指標でしたが、収益性は利益の効率を計る指標となります。

一般的に安全性と収益性は相反関係にあるので、これを考えて事業をするのが経営者の手腕といえます。

 

これらを踏まえて会社の収益性の用語を解説していきます。

売上高利益率

「売上高利益率」にはいくつかの種類があり「売上高○○利益率」と間に文字が入るのが一般的です。

慣れれば計算式は簡単ですし考え方も非常にシンプルです。

売上高利益率の種類と計算方法を次項にまとめました。

売上高総利益率

「売上高総利益率」は売上高に対して売上総利益(粗利)がどのくらいあるかを表す数字で計算式は以下の通りです。

売上高総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高 × 100
決算書などでは使われているのを見る機会が少ない数字ですが、商品やサービスの価値を反映している数字です。
売上高営業利益率(ROS)

「売上高営業利益率」は「ROS(Return On Sales)」と呼ばれることもあります。

前項で解説したように営業利益は粗利から経費などを引いた利益なので、販売価格が上がれば儲けは大きくなるため営業利益も大きくなり、経費が下がれば大きくなります。

売上高営業利益率の計算式は以下の通りです。

売上高営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
売上高営業利益率が高ければ高いほど製品やサービスの価値も高く収益性も良いので、事業の効率が良いという事になります。
売上高経常利益率

会社の決算報告書では「売上高営業利益率」か「売上高経常利益率」のどちらかが記してあります。

売上高営業利益率との違いは分子が経常利益になっている事です。

売上高経常利益率 = 経常利益 ÷ 売上高 × 100

経常利益は株式の配当や銀行利息などの営業外収益と営業外費用を加味した利益なので、会社の実力を表す指標として用いられます。

売上高当期純利益率

「売上高当期純利益率」は売上高に対して最終的な儲けがどのくらいあったかを示す数値で計算式は以下の通りです。

売上高当期純利益率 = 当期純利益 ÷ 売上高 × 100
売上高当期純利益率も決算書ではあまり見かける数字ではありませんが、会社の最終的な利益が株主の財産となるので重要な数字となります。

 

自己資本利益率(ROE)

株主は自分が出資した金額に対して大きなリターンを求めます。

そのため、出資した金額がどのくらい増えたかを気にしますのでその指標を示すのが「自己資本利益率」です。

自己資本利益率は「ROE(return On Equity)」とも省略される事もあります。

会社の最終的な利益である当期純利益は、貸借対照表では右下の純資産に組み込まれますので、純資産の増加が株主の財産の増加に直結する事になります。

 

 

自己資本利益率は純資産に対して利益がどのくらい出たかを表す指標ですので、以下の計算式で求められます。

自己資本利益率(ROE) = 当期純利益 ÷ 純資産 × 100

この数値は業界によって幅がありますが、会社が発行する有価証券報告書や四半期報告書などの決算資料ではROEの現在値と目標値が明記されている事が多いです。

 

総資産利益率(ROA)

「総資産利益率」は英語で「ROA(Return On Assets)」と訳されます。

先ほどの自己資本利益率は純資産に対してどのくらい利益を出せたかがポイントでしたが、総資産利益率は会社の総資産に対してどのくらい利益を出せたかを示す指標です。

 

計算式は以下の通りです。

総資産利益率(ROA) = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100

このROAも決算報告書に登場する機会も多く、会社の資産を効率よく運用出来ているかを分析するのに役立つ数値となっています。

 

株価収益率(PER)

「株価収益率」は株価と収益の関係を表した数値で、「PER(Price Earnings Ratio)」省略する事もあります。

例えばとある会社の株価が1,000円で、会社が1年間で生み出した1株あたりの利益が200円の場合、5年間で利益が株価と同じ値段に達します。

つまり1,000円の株を1つ保有している人は5年で投資元本と同じ金額になります。

しかし実際の株価は株式市場で常に変化するので、PERはこの影響をもろに受けます。

PERの計算式は以下の通りです。

株価収益率(PER) = 株価 ÷ 当期純利益

株価が高くなるという事は投資家の期待値も高いという事になるため、PERも比例して高くなります。

そのためPERが低いという事は株価は割安と判断されますが、一方で投資家の期待値も低いという事になります。

 

株価純資産倍率(PBR)

「株価純資産倍率」も株主や投資家が気にする指標の一つで、株価が割安か割高かを判断する時に使います。英語では「PBR(Price Book-value Ratio)」といいます。

前にも説明しましたが純資産は株主の財産といえます。一方で株価は株式市場で取引されるため常に変動します。

投資家がとある会社にいざ投資をしようと思った時には企業価値高い会社の株価を出来るだけ安く買いたいというのが心理です。

従って株価と純資産を比較したのが、株価純資産倍率(PBR)です。

 

PBRの計算式は以下の通りです。

株価純資産倍率(PBR) = 株式時価総額 ÷ 純資産

PBRが1を割っていれば株価は割安と判断されますが、注意が必要なのは資産に含み損がある場合は見かけ上のPBRが低くなっている場合もあり必ずしもお得とはいえません。

営業キャッシュフローマージン

営業キャッシュフローマージンとは、売上高に対して営業キャッシュフローがどのくらいあるかを表した数値で、企業の収益性を計る重要な数値といえます。

営業キャッシュフローマージン = 営業キャッシュフロー ÷ 売上高 × 100

これが20%以上ある企業は収益性がとても高く、安定して利益を出し続ける事が期待できます。

 

さいごに

今回解説した内容は書籍の一部であり、まだまだ重要な指標はあります。

ただ投資初心者として最低限知っておくべき内容を網羅して執筆しています。

数字的な観点からも分析が出来るようになっておくと会社を違った視点で見る事も出来ます。

私自身も個人投資家として経済や財務など様々な事を日々勉強していますが、これらを勉強していくうちに会社の利益は株主のためにある事に気付きます。

会社員が頑張って働いて生み出した利益は最初に投資家に分配され、その後に社長・役員となり、最後の最後に従業員に回ってくる仕組みになっています。

これが資本主義社会の本質なのであれば、自分が投資家となって株主側に回る事が賢明だと判断しました。

なおつん(左)
なおつん

これが今の社会の現実といえます。
私もこれから粛々と投資や経済の勉強をしていきます。

このブログでは会社員や学生さんの役に立つ情報や考え方を発信しています。

ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。

なおつん Lv.若手平社員

30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。

私は製造業(メーカー)の営業系の部署で働いており、年に数回海外出張もします。

個人投資家として様々な投資案件もチャレンジしてFIREを目指して奮闘中です。
会社員や投資家の方にとって有益な情報を発信しています。

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