30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
先日のYahooニュースで「ジャイアントカプリコ」の”あけくち”が増えている事が話題になっていました。

出典:Yahooニュース
今回はジャイアントカプリコを製造販売している「江崎グリコ株式会社」について、それからコロナ禍での直近の業績はどうなっているかを調べました。
業績を見る際の各会計用語については別の記事にしてあるので参照してください。
「江崎グリコ株式会社」の事業内容
江崎グリコの創業は1921年4月に創業者の「江崎利一」によってグリコーゲンを主成分としたお菓子「グリコ」を製造販売するために江崎商店としてスタートしたのが始まりです。
大阪市西淀川区に本社を置く食料品を扱う企業で、現在においても「グリコ」をはじめとした「ポッキー」や「プリッツ」などのお菓子はロングセラー商品として国民に親しまれています。
現在の各事業セグメントは「菓子・食品部門」「冷菓部門」「乳業部門」「食料原料部門」「海外部門」「その他」となっており、各セグメントを子会社36社と関連会社3社で事業構成されています。
ざっくりと示したのが以下の図です。
じゃんけんで勝った手によって進める歩数が変わる「じゃんけんグリコ」を作ったのも江崎グリコが発祥です。
2020年8月に「JANKEN GLICO 2020 REMOTO」が開催され、一般募集された参加者が芸能人とオンラインでじゃんけん大会を行うなどコロナ禍でのイベントも積極的です。

出典:グリコ公式ホームページ
直近の業績
ここからはEDINETに公開されている四半期決算報告書を元に直近の業績をみていきます。
収益分析
「売上高」「経常利益」「当期純利益」は前年同期と比較して減収減益となっています。
新型コロナウイルス感染症の影響により内外経済に与える影響や世界経済の不透明さなどが一気に押し寄せてきた事が報告書に書かれていますが、コロナの影響によって他の製造業に代表されるような製品を製造する工場の操業停止などの影響については書かれていません。
しかし、世界経済が大きく落ち込み消費マインドが低下すると取引先からの注文が減り、結果として減収減益となった事は想像に難しくありません。
ただ、このコロナ禍の中でも江崎グリコは黒字を計上している事を考えると健闘した結果といえると思います。
各セグメントでの売上高は減っているものの、販売費と一般管理費などの経費を同時に圧縮出来た事が要因となっているようです。
財務分析
利益などの企業の収益は一定期間の合計額が結果として表示されますが、財務状況はある時点においての資産残高と負債額などが分かるようになっています。
江崎グリコの直近の財務状況をみると、自己資本比率は64.2%と高い数値となっており、これはコロナ禍においても自己資金が潤沢にある事を意味しています。
また、手元の流動資金の多さを計る指標として流動比率と当座比率がありますが、それぞれ253.8%と196.8%と十分な余裕資金があります。
経営方針と戦略
江崎グリコは「おいしさと健康」の企業理念のもとに、食品事業の展開を通じて社会貢献する事を目指しています。
目標とする具体的な経営指標はROE10%以上とし、これを達成するために需要喚起とグローバル市場の開拓を推進していくとしています。
具体的な活動と戦略についていくつか紹介していきます。
経営資源の「選択と集中」
長く続く日本のデフレと経済不況、更にはコロナ禍において売れている商品はもっと売れる戦略を立てて、売れない商品は思い切って切り捨てるという断捨離的な発想をする企業が増えているというのが私の所感です。
「選択と集中」という言葉は私の勤める企業でも最近よく聞くようになりました。
江崎グリコの決算報告のなかにもこの事は述べられており、重点ブランドへの資源配分を強化して収益拡大を図るとともに健康事業の展開エリアを拡大していく事が書かれています。
経営基盤の強化
江崎グリコの決算報告では「品質保証体制の強化」と「人材育成」に力を入れて組織全体の成長を促していくという事が書かれています。
食品業界はひとたび問題が起きればブランド失墜に陥り事業が立ち行かなくなる事もあるので、品質とブランド向上は経営基盤を強化する上での要となる要素です。
そのため従業員一人ひとりのCSRの意識を高め、ブランド価値を高める事で継続的で安定的な経営が出来るようになります。
事業のリスク
ここからは江崎グリコが抱える事業のリスクを確認していきます。
製品開発に関するリスク
消費者の嗜好が多様化している事や健康志向が高まってきており、これらの市場変化に対応できる製品の開発が事業拡大にとって重要な取り組み課題としています。
新製品を開発するには設備投資など莫大な研究開発費が掛かってくる一方で相反するコストダウンも頭を悩ませるネタになり、このへんは経営手腕が問われるところになります。
投資に見合った回収が出来なければそれがリスクとなり業績にも影響を及ぼす事があります。
原材料調達に関するリスク
江崎グリコは最初に紹介したジャイアントカプリコを代表するようにチョコレート製品も多く扱っています。
チョコレートの原料となるカカオやカカオバターは全て輸入に頼っています。また、その他の原材料も市場価格が変動する事により製造原価に影響を与えます。
原材料そのもの価格はもちろんの事ですが、輸送コストも無視できない要素であり、原油価格などの影響も考慮する必要があります。
さらには海外から原材料を輸入する場合には為替の影響も受けます。
天候に関するリスク
消費者の購買意欲は気温や晴雨によって影響を受けているところがり、消費行動にも反映します。
これは、天候が変わる事で売上と業績が大きく変わる事を示しており、事業のリスクと考えています。
まとめ
子供の頃の思い出といえば、遠足でお菓子を食べた事が印象に残っています。
学校の先生から言われた「おやつは300円まで」という言いつけをしっかり守り、わくわくしながら母親からもらった小銭を握りしめながらコンビニに繰り出した事を覚えています。
その時には私が江崎グリコの製品を買っていたかどうかまでは覚えていませんが、お菓子というのは子供にとって記憶の断片にずっと残っているものです。
最近ではお菓子もめっきり食べなくなりましたが、今では大人でも仕事中にお菓子を食べている光景は珍しくありません。
私たちの脳内にずっと存在しているお菓子という存在は江崎グリコのような企業による長年の努力の賜物だといえます。
江崎グリコにはこれからも子供達や大人にジャイアントなお菓子を作り続けて欲しいと思います。

急にジャイアントカプリコが食べたくなってきた。

出典:江崎グリコのホームページ
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