個人事業主は知らないとヤバい「インボイス制度」をわかりやすく

仕事の役に立つ

30代会社員のなおつんです。

今回は2021年の10月から手続きが開始された「インボイス制度」について詳しく解説していきます。

個人事業主やフリーランスの人はもちろん副業をしている会社員にも関係が深い話なので、ぜひ最後までお付き合いください。

私は資産運用をこのブログで公開しているので、興味がある方は関連記事をぜひご覧ください。

「インボイス制度」とは

後で解説するインボイス制度に関連する「適格請求書発行事業者」への登録は2021年10月から開始されています。

2023年10月1日から「インボイス制度」が開始される日程となっています。

このインボイス制度によって個人事業主や自営業者の人達に深く関係してくるのは「消費税」です。

モノやサービスを購入した時に定価に10%上乗せして納付する多くの人に馴染みのある税金ですが、インボイス制度を理解する上で、まずは消費税自体を正しく理解する事が必要なので、まずは消費税の概要について簡単におさらいしていきます。

 

インボイス制度については個人事業主の方もかなり関心を寄せているワードのようで分かりやすく解説してある記事もありました。

関連記事:「インボイス制度」をゆる~く学ぼうの巻

 

消費税の概要

普段私たちがスーパーやコンビニで購入する時に、定価に加えて10%の消費税を支払っています。

この消費税分はお店からすると売上ではなく、一時的に預かっているお金としてお店が国に納める仕組みになっています。

上記の図は1,000円の商品を買った時の消費税の流れを表しており、消費者は1,000円に消費税分の100円を追加して合計で1,100円を支払っています。

このうち100円分は事業者であるお店が100円を国に納付するようになっています。

消費者が納めた消費税100円は、事業者を通して最終的に国に納めるようになっています。

 

「課税事業者」と「免税事業者」

このとき、年間の売上が1,000万円以下の小規模の事業者であれば、消費税を国に納める事が免除されるようになっています。

つまり、上の例だと1,100円が全て売上に計上されるようになり、このような事業者の事を「免税事業者」といい、売上が1,000万円を超えている事業者を「課税事業者」といいます。

なおつん(左)
なおつん

課税事業者は年間の売上が1,000万円を超えた、翌々年から消費税の支払い義務が生じます。(課税事業者となる。)

・課税事業者 ⇒消費者から預かった消費税を国に納める義務がある。
・免税事業者 ⇒消費者から預かった消費税を納める義務はない。

事業者は前々年の売上によって「課税事業者」か「免税事業者」かが変化しますが、いちど課税事業者になったとしても、前々年の売上が1,000万円以下になっている場合は、また免税事業者になるという少し複雑な制度となっています。

ここで解説した内容が基本的な消費税の仕組みとなっており、これを理解しないと次から頭が混乱する事になります。

事業者が本当に納める消費税は?

先ほどの1,000の商品を購入した時のやり取りでは、消費税分は100円だったので事業者が代わりに国に納めるという内容でした。

でも実際のビジネスでは、お店はまず商品を仕入れてからそれを消費者に販売します。

上の図は売上と利益をすごく簡単に表した図ですが、300円で仕入れた物を1,000円で販売して残った700円がお店の利益となります。(実際には仕入以外に経費なども掛かりますが、今回は簡略化しています。)

この例で解説したい重要なポイントは、商品を仕入れるときに事業者はすでに消費税を納めているという事です。

商品の仕入れ金額は300円なので、300円の10%である30円はすでに納めている事になります。

ただし、消費者からは消費税として100円は預かっているので、この事業者が実際に納める消費税は、

100円 - 30円 = 70円
(消費者から預かった消費税)- (仕入れの時に払った消費税) = (実際に納める消費税)

という計算式になります。

消費税の流れを整理すると以下のようになります。

① 事業者が商品を仕入れる時に、消費税30円を仕入先に納める。
② 商品を販売した時に、消費者から消費税100円を預かる。
③ 預かった100円からすでに納めた30円を差し引いた消費税70円を国に納める。

ちなみに、いままでは事業者が中心として解説してきましたが、仕入先の視点で考えてみるとと、仕入先は商品を卸した時に300円の代金と30円の消費税を受け取っているので、30円については仕入先が国に納める事になります。

このような場合でも、最終的に全員から100円の消費税を国に納めるという仕組みになっています。

「消費税」を正しく理解してから「インボイス制度」を理解する

これまで消費税をしつこく解説しましたが、この点をまずはしっかり理解しておかないとインボイス制度の理解はかなり難しくなります。

インボイス制度の「インボイス」には請求書という意味があり、インボイス制度が開始すると事業者同士の取引の際に「適格請求書」という国が定めた書式の請求書を発行する義務が生じます。

適格請求書を発行できるのは「適格請求書発行事業者」として税務署へ登録する必要があり、適格請求書を発行できるのは登録を受けた適格請求書発行事業者のみです。

なおつん(左)
なおつん

インボイス制度は事業者間での取引に関連があるので、一般消費者にはほとんど影響はありません。

また、適格請求書発行事業者への登録が出来るのは2021年10月からとなっています。

・2021年10月~ 適格請求書発行事業者への登録が開始される
・2023年10月~ インボイス制度、つまり適格請求書発行が義務化される

インボイス制度というのは、適格請求書発行事業者が発行した適格請求書を使って取引をする制度の事をいいます。

 

適格請求書がないと消費税を納めた事にならない!

インボイス制度が始まると、適格請求書発行事業者が適格請求書発行を発行する取引が開始されますが、もし適格請求書の発行がない場合は、消費税を納めた証明が出来ない事になります。

もし、インボイス制度が始まっても今まで通りの請求書で取引をしてた場合、消費税を納めた事にはならず、事業者が税務調査などで指摘を受けた時には消費税の追加徴税が発生する場合があります。

もしくは事業者が適格請求書を仕入先から受け取らないまま仕入をして、その後に商品を販売して売上が出た場合、その売上げに対して10%の消費税をそのまま国に納める事になります。

上の図のように仕入先から適格請求書の発行があれば、納付予定の消費税100円分から仕入先に支払った消費税30円分を差し引いて消費税70円だけを納めれば大丈夫です。

 

その一方で、上の図は適格請求書の発行がない場合ですが、仕入先に消費税分として30円を払っていたにも関わらず、支払いを証明するものがないので、事業者が国に納付する消費税は100円となります。

つまり、適格請求書が消費税を納めた証明になるので、事業者は仕入先に支払った30円の消費税と国に納める100円の合計で消費税130円を2重に納めているという事になります。

事業者の立場になると、適格請求書は何としてでも適格請求書を発行して欲しいので、適格請求書発行できない事業者とは取引を敬遠する動きが今後出てくるかも知れません。

免税事業者はそもそも適格請求書の発行は出来ない

前々年の売上が1,000万円以下の事業者、つまり免税事業者はそもそも適格請求書の発行は出来ないようになっています。

このインボイス制度には賛否両論があり、実質的な免税事業者への排除措置とも揶揄されています。

なぜなら、適格請求書が発行できない事業者は、取引先から消費税を納付した証明として適格請求書を発行して欲しいという要望に応える事が出来ません。

そして取引先は消費税を2重で支払う事になるため、そもそも適格請求書を発行できない免税事業者とは取引をしたくないと思うのは当然だと思います。

この制度が売上が少ない免税事業者にとっては不利な状況になるので、個人事業主や小規模の自営業者は何としてでも仕事を獲得するために、課税事業者になって適格請求書を発行できるように選択する事業者も現れることが予想されます。

ちなみに前々年の売上が1,000万円以下の免税事業者であっても、税務署に申請をする事によって課税事業者になる事が出来ます。

当然ですが、課税事業者になれば消費税10%の納税義務が発生します。

インボイス制度が2023年10月から開始されれば、仕事を獲得するために課税事業者になる事を選択するのか、いままで通り免税事業者として消費税の納付を免税してもらうのかの選択を迫られる事になります。

 

「適格請求書発行事業者」に登録するべき人

ここまで「インボイス制度」や「適格請求書」について解説しましたが、免税事業者が適格請求書を発行できる事業者に登録、「適格請求書発行事業者」に登録した方が良い人(または事業者)は以下のような場合が挙げられます。

・課税売上が今後も1,000万円を超える事が確実な人または事業者
・すでに課税事業者として消費税の納税義務がある人または事業者
・現在は免税事業者であるが、仕事を継続的に受けたい人または事業者

すでに年間売上が1,000円よりも多い事業者は、すぐに手続きを開始して適格請求書発行事業者になっておいた方が良いと思います。

一方で、課税売上が1,000円以下の事業者は、2023年3月31日のまでの間に様子を見たて判断したいという声が多いようで、急いで手続きをする必要はありません。

なおつん(左)
なおつん

2023年3月31日というのは、インボイス制度が始まる2023年10月1日から適格請求書発行事業者として運営を開始するための登録の期限となっています。(以下のスケジュールの緑の矢印)

繰り返しになりますが、免税事業者は適格請求書が発行できないので、商品の卸先から発注が無くなたっり、仕事が減ってしまう事が懸念されています。

 

免税事業者でも仕事を減らさないために

免税事業者にとって不利なインボイス制度ですが、この制度が始まったとしても生き残っていける事業者は確実に存在します。

それは他の人には真似が出来ない商品やスキルを持っている人です。

取引先から「この人でないとダメ」「この商品が欲しい」と言われるようになれば、免税事業者のままであったとしても、取引先は消費税を2重に支払ってでもその人に仕事の依頼をしたいと思うのが自然だと思います。

特に売上が少ない個人事業主は希少性を高められるように努力をする必要があるという事です。

なおつん(左)
なおつん

インボイス制度に関わらず、個人事業主は常にスキルアップに努めたいですね。

 

まとめ

今回はインボイス制度について解説しました。

今回解説した内容以外でも、この制度は一部の取引はインボイスの交付義務免除になったり、制度開始後も経過措置などの特例が定められており、全てを理解するには非常に複雑で難しい制度です。

インボイス制度が始まる2023年10月までの準備期間としては、国税庁のホームページにインボイス制度についての特設ページがあるので、そちらでより詳しい情報や最新情報を確認しておくと良いと思います。

国税庁「インボイス制度」の特集ページ

興味があればぜひ関連記事も読んでいただきお役に立てればと思います。

なおつん Lv.若手平社員

30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。

私は製造業(メーカー)の営業系の部署で働いており、年に数回海外出張もします。

個人投資家として様々な投資案件もチャレンジしてFIREを目指して奮闘中です。
会社員や投資家の方にとって有益な情報を発信しています。

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