【投資初心者】投資信託の為替ヘッジ「あり」と「なし」どっちが良いのか

投資を学ぶのに役に立つ

30代会社員のなおつんです。

このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。

今回は投資信託を購入する時に多くの人が迷う、為替ヘッジ「あり」と「なし」はどっちがいいのかということについて解説します。

私は個人投資家として様々な投資にチャレンジして、資産運用の実績も公開しているので、気になる方は別の記事もご確認ください。

為替ヘッジとは

投資信託の商品を選ぶ時に、同じ銘柄の商品でも「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」という2種類があってどちらにすべきか悩んだことがある人も多いと思います。

そもそも「為替ヘッジ」とは何かというと、為替の変動による投資信託の運用に与える影響を抑える事をいいます。

為替ヘッジあり:為替変動の影響を抑えてくれる
為替ヘッジなし:為替変動の影響を受ける

つまり為替ヘッジありの商品を選択すると、為替の変動による運用成績の影響を減らしてくれるという効果があります。

為替ヘッジの「あり」と「なし」が選択できる商品は、海外に投資している投資信託が対象となっています。

海外に投資を行う投資信託を購入する場合は、間接的に日本円を他の外貨に交換してから投資を行うため、取引時の為替の影響が重要になります。

「為替ヘッジあり」の場合

「為替ヘッジあり」の商品は為替の変動に関係ないので、投資信託を購入した時と売却した時で為替が変動していても運用成績にはほとんど影響はありません。

為替は24時間変動していますが、これの影響を限りなくゼロにしてくれるため、運用成績は投資信託の基準価額によってほぼ決まることになります。(ヘッジコストなどは後ほど詳しく解説します。)

なおつん(左)
なおつん

「基準価額」とは投資信託の価格の事です。
安い時に買って高い時に売るのが投資の基本ですね。

「為替ヘッジなし」の場合

「為替ヘッジなし」の商品の場合は、基準価額以外にも為替の変動によって運用成績の良し悪しが決まります。

一般的には為替が円安になれば運用成績が有利になり利益が出て、逆に円高になれば損失が出るようになっています。

この理由は、海外に投資するファンドは基本的に海外の企業が投資対象ですので、海外の企業は外貨を稼ぐことになります。

海外の企業は基本的に外貨を扱い、この企業が業績を上げる事でファンドの基準価額を上げてくれますが、この時に外貨を日本円に換算した時には、円が安ければ外貨から円に交換する時に円が多く手に入るため利益となりますが、逆に円が高いと交換できる円が少なるなるため、損失が出ることになります。

なおつん(左)
なおつん

例えば、外国人が「日本円を買う」とイメージした時に、円は安い方が嬉しいですよね。つまり円安であればお得(利益)になるという事です。

「為替ヘッジなし」は、「ヘッジをしない」という事になるので、為替変動のリスクをダイレクトに受ける事になり、円安か円高のどちらかによって利益にも損失にもなりえるという事です。

為替ヘッジ「あり」と「なし」はどっちがいいのか

為替ヘッジは「あり」と「なし」についてどっちが良いのかという疑問の結論をいうと、長期運用をする場合は為替ヘッジ「なし」を選択する方が最終的な運用成績が良くなる可能性が高いといえます。

つまり長期運用では「為替ヘッジなし」を選択するのが良いというのが私の結論で、その理由は以下ようなの事が挙げられます。

為替ヘッジなしを選ぶ理由 その1:常にニュートラルなポジションを保つ
為替ヘッジなしを選ぶ理由 その2:為替変動とヘッジコストの影響
為替ヘッジなしを選ぶ理由 その3:長期的な為替は誰にも予想が出来ない

これらの理由について詳しく解説していきます。

理由その1 常にニュートラルなポジションを保つ

投資においてのニュートラルなポジションと言うのは、日本円、ドル、ユーロなど様々な資産をバランスよく保有している事を意味しています。

為替変動によってもし日本円の価値が低くなったとしても、ドルも一緒に保有していれば資産全体の価値が保たれ、逆にドルの価値が下がってもユーロの価値が高くなれば資産全体のリスクは抑えられるという事です。

いろいろな資産に分散する事で為替変動のリスクも分散できるというメリットがあります。

多くの日本人は日本円で給料を貰い日本円で生活をします。さらには銀行には日本円で貯金もしている人も多いと思うので、あまり気にする人はいないと思いますが、この状態をグローバルに見た場合、日本円に一極集中投資していると言えるので、円の価値が極端に低くなった時には資産が目減りしてしまう事になります。

多くの日本人は知らないうちに日本円にかなり依存している投資をしているという状態ということになります。

「為替ヘッジなし」を選択することで、今まで偏っていた日本円だけの資産配分をわずかに外貨寄りのポートフォリオにする事ができ、円安になって円の価値が下がった時でも外貨の価値がそれを補ってくれることでバランスを保つ事ができます。

理由その2 為替変動とヘッジコストの影響

「為替ヘッジなし」を選択する理由の2つ目に、ファンドの運用コストがあります。

「為替ヘッジあり」の商品は一般的に「為替ヘッジなし」の商品と比較して運用コストがわずかに高く設定されている場合がほとんどです。

「為替ヘッジあり」を選択して為替の変動による損失を抑える事に成功したとしても、運用コストが高くなってしまっている場合は、結果として「為替ヘッジなし」を選択して為替変動の影響を受けた方が成績が良くなる場合もあります。

これにはファンド運用時の「為替の変動」と「為替ヘッジコスト」の影響が深く関係しており、後ほど実例を出して解説します。

 

理由その3 長期的な為替は誰にも予想が出来ない

為替ヘッジ「あり」と「なし」の選択によって為替変動の影響をある程度コントロールする事が出来ますが、長期的に見て為替の変動は誰にも予想できません。

それであれば「為替ヘッジあり」を選択して為替リスクを抑えておいた方が良いと思うかも知れませんが、もし将来的に大きな円安になった場合は大きな利益を出す機会を損失している事になりますので、相対的にみると損失になっている場合もあります。

為替が将来どうなるかは誰にも予想が出来ないので、「為替ヘッジなし」を選択して世界経済の流れに身を任せる選択をした方が賢明かも知れません。

少し話は逸れますが、特に海外に支店を持つ日本企業は為替の影響が業績に直結する場合が多いです。

例えばアメリカの支店ではアメリカドルを扱うので、日本製品をアメリカに輸出して市場で売れるとドルをたくさん稼ぐことになります。

しかし、このように海外で稼いだ外貨も決算報告をする時には日本円で行う必要があり、外貨も全て日本円で換算するため、円安の場合は決算の業績が良くなるという現象が起こります。

逆に海外からモノを輸入して日本で販売する場合は全く逆の事が起こり、円安になるとモノを仕入れるコストが相対的に高くなるので、業績には悪い影響を与えます。

多くの日本企業では海外に販売や仕入を頼っているので、意外にも為替は私たちの生活に密接に関係していますが意外と意識される事はありません。

「グローバルAIファンド」で為替ヘッジの「あり」と「なし」の運用成績を比較

出典:グローバルAIファンド目論見書

三井住友DSアセットマネジメント株式会社が販売している「グローバルAIファンド」の為替ヘッジ「あり」と「なし」を比較したいと思います。

「グローバルAIファンド」は三井住友DSアセットマネジメント株式会社が販売している投資信託ですが、このファンドの概要を簡単におさらいすると、世界中の企業の中でもAIの進化や発達により今後の成長が見込める企業へ積極的に投資をするファンドです。

今回解説している為替ヘッジについては、海外へ投資するファンドを購入する場合にのみ関係してきますが、「グローバルAIファンド」は全世界が投資対象となっている点と、為替ヘッジ「あり」と「なし」の両方の商品がラインナップされているため今回は取り上げています。

このファンドの設定日は、為替ヘッジ「あり」が2017年2月10日で、為替ヘッジ「なし」が2016年9月9日となっているため若干の時間差がありますが、公平に比較するため2017年2月からのリターンでまずは比較します。

抜粋:楽天証券

上の図は2017年2月10日~2021年8月6日までの「グローバルAIファンド」について、為替ヘッジ「あり」と「なりし」を比較したチャートです。

オレンジ線が「為替ヘッジあり」で、青の線が「為替ヘッジなし」となっており、結果から分かるように「為替ヘッジなし」が若干成績が良くなっています。

為替ヘッジによるものですが、この期間の為替変動や運用コストはどうだったかも合わせて比較していきます。

為替の変動

先ほどのファンドの比較チャートと同じ期間で為替はどのように変動したかを確認します。

出典:ヤフーファイナンス

2017年2月10日のドルと日本円の相場は約113円でしたが、2021年8月6日の相場は約110円となっており、この3年6ヵ月の期間では約3円も円高になりました。

先ほども解説したように、為替ヘッジなしでは円高になると損失になるという話だったので矛盾していると思うかも知れませんが、これにはちゃんとして理由があります。

それが次で解説するヘッジコストです。

ヘッジコストの変動

「ヘッジコスト」は投資信託を運用するときに投資家が間接的に負担する費用の事ですが、このヘッジコスト金利の差によって変動するようになっています。

ヘッジコストについてはここで詳しく解説はしませんが、簡単にいうとアメリカドルと日本円の金利差によって発生し、この差が大きければヘッジコストも大きくなります。

当然の事ですが、ヘッジコストが高ければその分の運用効率が悪くなり、基準価額に反映されるようになっています。

今回比較している「グローバルAIファンド」の運用期間中、どのくらいヘッジコストが変動したのかを確認します。

出典:大和アセットマネジメント

上記はヘッジコストの変動の推移を表した表ですが、2017年くらいから上昇し始めて、2018年9月頃に約4%のピークとなり現在は1%を下回る推移で変動しています。

これのグラフを見ると、高い時には4%程度のヘッジコストが掛かり、低い時には0.5%程度のヘッジコストが発生している事が分かり、「為替ヘッジあり」の場合、このコストが基準価額に反映される事になります。

ヘッジコストと先ほどの為替変動を総合して評価すると、運用成績は最終的にどうなるのかを再度確認します。

トータルリターンでは「為替ヘッジなし」が有利

再度「グローバルAIファンド」のチャートの比較ですが、やはり「為替ヘッジなし」の方が最終的な運用成績は良くなっています。

抜粋:楽天証券

この結果の理由を為替の変動とヘッジコストの関係で説明すると、「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」を比較した場合、為替は円高になって「為替ヘッジなし」が不利になったが、「為替ヘッジあり」のヘッジコストが高い期間もあったため、最終的に「為替ヘッジなし」の成績が良かったという事です。

つまり円高の損失分よりもヘッジコストの負担分の方が大きく影響したため、「為替ヘッジなし」のチャートの方が良いという結果になりました。

このように多くのファンドでは、ヘッジコストが運用成績のネックになる場合が多いため、多少の為替の影響を受けたとしても「為替ヘッジなし」を選択する方が有利になるということです。

 

「為替ヘッジあり」が向いている人

「為替ヘッジあり」が向いているのは以下のような人です。

① 為替変動によるリスクを抑えたい人
② 近いうちにファンドを売却する予定のある人

近いうちにファンドを売却して現金化したい場合は、ある程度のリスクを抑えるために「為替ヘッジあり」を選択する方がいいかも知れません。

例えば車や住宅を購入する時や急な出費がある場合には、どの程度でファンドが売却できるかある程度の見込みをしておきたいものです。

売却前になって急に為替が変動して大きく損失を出したくないという場合は、「為替ヘッジあり」が向いているといえます。

「為替ヘッジなし」が向いている人

「為替ヘッジなし」が向いているのは以下のような人です。

① 長期的な投資が前提の人
② 資産をバランス良く保ちたい人

これまでに説明してきたように、長期投資が前提であれば為替変動によるリスクはあってもヘッジコストの負担が無い分「為替ヘッジなし」が有利だと言えます。

むしろ今後の為替の動きによっては利益が出る事も期待できるので、長期投資の方は「為替ヘッジなし」を選択すると良いと思います。

まとめ

今回は「為替ヘッジ」について、「あり」と「なし」どちらが良いのかという事をかなり詳しく解説してきました。

私の結論としては「為替ヘッジなし」を選択して資産全体のバランスを取りながら長期運用をしたいという事です。

投資初心者でどっちを購入すべきか迷っている方は、参考にしてみてください。

また、このブログでは投資に関する情報を詳しく解説しているので、興味があればぜひ関連記事を読んでいただきお役に立てればと思います。

なおつん Lv.若手平社員

30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。

私は製造業(メーカー)の営業系の部署で働いており、年に数回海外出張もします。

個人投資家として様々な投資案件もチャレンジしてFIREを目指して奮闘中です。
会社員や投資家の方にとって有益な情報を発信しています。

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