30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
私は製造業(メーカー)の営業系の部署で働いている傍ら、個人投資家として株や投資信託を保有しながら様々な投資案件にも挑戦しています。
今回はは証券会社でも人気の投資信託である「モルガン・スタンレー・グローバル・プレミアム株式オープン(為替ヘッジ無し)」という商品について解説していきます。
なお、今回の記事を執筆するにあたって参考にした資料は、2020年9月現在のモーニングスターに公開されているファンド目論見書や運用実績報告書が元になっており、資産比率なども資料から私が独自に算出したものになります。
今後の投資の成績を約束するものでは無いため、投資は自己責任で行いましょう。

個人投資家として私がこのファンドを買うかどうかは最後に述べています。
私はこのブログで資産運用の実績などを公開しているため、気になる方はぜひ関連記事をご覧ください。
モルガン・スタンレー・グローバル・プレミアム株式オープン(為替ヘッジ無し)ファンドの概要

出典:目論見書
「モルガン・スタンレー・グローバル・プレミアム株式オープン(為替ヘッジ無し)」は世界各国の企業の中でも「プレミアム企業」と呼ばれる企業へ投資を行うファンドです。
このファンドの投資対象となるプレミアム企業というのは、以下のような企業の事を指しています。
2、有力な特許を保有している企業
3、強固な販売網を持つ企業
高いブランド力というのは、企業そのものが持つイメージのことであり「無形資産」といわれる事がありますが、ブランド力が消費者に与えるインパクトやイメージは絶大です。
また、プレミアム企業の名に恥じないような独自に開発した特許技術を持っている事や自社の販売網を持っている事もその市場のシェアを大きく寡占し競合他社からリードできるため、その企業の大きな強みといえます。
「モルガン・スタンレー・グローバル・プレミアム株式オープン」は、これらの条件に合った企業をプレミアム企業として独自に選別して、積極的な投資を行っているファンドです。
為替ヘッジ「あり」と「なし」の違い
今回解説する「モルガン・スタンレー・グローバル・プレミアム株式オープン」には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類の商品がある事に気が付くと思います。
今回、この商品を解説するために使用しているデータは「為替ヘッジなし」となっておりますが、「為替ヘッジ」について詳しく知りたい方は関連記事をご確認ください。
ちなみに長期的な運用であれば、「為替ヘッジなし」を選択する方が運用効率が良いというのが私個人の結論です。
ファンド運用指図者と運用プロセス
この投資信託を運用するのは、モルガン・スタンレー・インベスト・マネジメントという会社が運用します。
モルガン・スタンレーの本社はアメリカにありますが、世界中に拠点を持つ金融機関のグループ企業として金融事業を行っており、インベスト・マネジメントは投資資産を運用する部門の企業となっています。
運用プロセスについては、まず世界中の上場株式の中から収益性や資産効率性などをフィルタリングし、運用チームがそれらの企業へ直接取材など調査を行い絞り込みをします。
さらにその後も厳選な分析などを行い、最終的には20~40程度の銘柄にまで投資対象を選定します。
ファンドの仕組み
このファンドは「マザーファンド方式」によって運用されています。(「ファミリーファンド」とも呼ばれます。)
この方式はファンドが直接株式に投資をするのではなくマザーファンドと呼ばれる別のファンドに投資をする事で運用益を得て利益が投資家に分配される仕組みです。
この方式によるメリットは、個人の投資家ではなかなか手が出ない大型の銘柄に投資出来るようになったり、ベビーファンドが集まって一つのマザーファンドに投資する事により大きな資金での運用が出来るようになる事が挙げられます。
投資は規模が大きいほど投資効率が良いので、多くの投資信託ではファミリーファンド方式を採用しています。
年1回の決算と分配金
このファンドは毎年2月下旬に決算を行い、分配方針に従って投資家に分配をします。
分配金は、企業に投資した配当金や株式の売買益から捻出され、運用成績が悪い場合やは運用会社の判断によって分配金が出ない場合もあります。
このファンドが運用開始されてからの分配金の履歴は以下の通りです。
ファンド投資先の比率
このファンドがどの国のどの企業に投資をしているのか解説していきます。
以下の円グラフは投資先である国の割合を示したものです。

※日本円に換算時の金額ベース
一般的な全世界株式に投資するファンドの多くはアメリカの比率が70~80%と非常に高い傾向にありますが、それと比較すると「モルガン・スタンレー・グローバル・プレミアム株式オープン」はそれほどアメリカに集中したファンドという事ではなく、イギリスやフランスなどの先進国もバランスよく分散されてりるといえます。
次に業績セクター別の投資先の割合を表した円グラフです。

※日本円に換算時の金額ベース
このファンドの構成銘柄はファンドマネージャーによって見直しと組み換えが適宜行われており、直近ではFRB(米国連邦準備制度理事会)による金融政策の転換と今後の経済の不透明さを考慮して、情報技術とヘルスケアの割合を高めるなどしています。
上位銘柄は次の通りです。
情報技術の大手企業である「マイクロソフト」、タバコの銘柄にもある「フィリップモリス」、クレジットカードの「VISA」、世界中で愛されている「コカ・コーラ」などの銘柄が上位を占めています。
基準価額と純資産額の推移
基準価額と純資産額の推移は以下の通りです。

出典:SBI証券
このファンドの設定日は2012年2月17日で、2021年8月現在の総資産は約1,210億円となっています。
青のグラフが基準価額の推移で、赤のグラフは分配金を再投資した場合の基準価額となっております。
コロナショックで一時的に大きく下がってはいるものの、現在では回復し堅調な成長を続けています。
運用コストと手数料
投資家が負担する運用コストと手数料については、主に以下の4つが挙げられます。
2、信託報酬費用
3、信託財産留保額
4、税金
これらについて一つずつ解説していきます。
1,購入時手数料
ファンドを購入する時に支払う手数料の事で、購入価格の何%という形で表記されています。
モーニングスターが公開しているファンドの目論見書によると、このファンドの購入時手数料は上限3.30%(税込)となっています。
これは販売会社によって若干手数料は変わってきますが、楽天証券とSBI証券などのネット証券であれば購入手数料は0円でした。
証券会社の窓口での購入だと3.3%の手数料が発生します。
2,信託報酬
信託報酬とは、投資家がファンドマネージャーにお金を預けて資金を運用をしてもらうための報酬費用です。
この手数料はファンドの運用資産から日割りで計算された金額が自動的に引かれ基準価額に反映される事で間接的に投資家が支払っているコストです。
このファンドの信託報酬は楽天証券とSBい証券では1.98%(税込)となっています。
100万円の資産を運用していた場合、1年間で19,800円が信託報酬として支払う事になります。
3,信託財産留保額
これはファンドを解約時(売却時)に発生する費用の事で、このファンドの信託財産留保額はありません。
つまりお金を引き出すときに発生する費用はありません。
4,税金
運用コストの最後は「税金」ですが、運用益と分配金に関して20.315%の税金が発生します。
運用益とはファンドを売却した時の価格が購入した時の価格を上回っていると利益が出ている事になりますが、この利益分に税金が掛かります。
また、このファンドで分配される分配金にも同様に20.315%の税金が発生します。
NISAなどの非課税制度を利用して運用している場合はこれらの税金は掛かりません。
まとめ ~このファンドは買いか?~
投資家が一番気になるのは「このファンドを買って儲かるのか?」という事だと思いますが、私個人的な意見では、このファンドは短期的な運用をしたい人向きであるため、長期投資家には向かない商品だといえます。
このファンドは全世界の優良企業に分散投資されている事や、純資産額が順調に増加しているところは評価できるポイントですが、一番気になる点は運用のコストとして信託報酬が1.98%(税込)も掛かる事です。
全世界株式の投資信託の運用成績は年間5~7%程度をいわれている中で約2%の手数料を毎年支払うのは長期的に見れば運用成績に大きく影響を与えます。
近年では同様の全世界株式に投資できる信託報酬が0.1%程度のファンドも誕生していますので、この差を考えるとわざわざ高い信託報酬を支払って「モルガン・スタンレー・グローバル・プレミアム株式オープン」を買う理由は見当たらないというのが結論です。
このブログでは会社員や学生さんの役に立つ情報や考え方を発信しています。
ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。