S&P500やオルカンはオワコン!? 今こそ日本株に乗り換えるべきか解説
ここ数年、投資信託といえば「S&P500」や「オルカン(全世界株式)」が圧倒的な人気を誇ってきました。しかし2025年に入り、円安・物価上昇・日本企業の好業績などを背景に、「そろそろ日本株にシフトすべきではないか?」という声が増えています。
本記事では、S&P500やオルカンの現状、日本株が注目される理由、そして乗り換えを検討する際のポイントをわかりやすく解説します。投資初心者から経験者まで、今後の資産運用を考える上で必読の内容です。
S&P500やオルカンの現状:人気の裏に潜むリスク
S&P500とは、アメリカの代表的な株価指数で、アップルやマイクロソフトなど米国を代表する企業500社で構成されています。オルカンは「全世界の株式」に分散投資するファンドで、先進国から新興国まで幅広く投資が可能です。
これらの投資信託は、2020年以降の米国株ブームによって驚異的なパフォーマンスを見せてきました。しかし、2024年以降の状況は少し変わってきています。
- 米国金利の高止まりによる成長株の伸び悩み
- ドル高・円安の限界による為替リスクの増大
- AI関連株の一極集中による偏り
これらの要因から、「米国一本足打法」のポートフォリオに不安を感じる投資家が増えているのです。
日本株が注目される理由
2024年以降、日本株が再び脚光を浴びている理由はいくつかあります。特に次の3つの要因が大きいでしょう。
① 企業業績の改善と株主還元の強化
近年、日本企業は「内部留保の活用」「自社株買い」「増配」といった株主還元策を強化しています。トヨタ、三菱商事、東京エレクトロンなど、グローバル競争力を持つ企業が増えています。
特に2025年は日経平均株価が史上最高値を更新する動きを見せるなど、海外投資家の資金流入も顕著です。
② 政府・日銀の政策変更
長らく続いた「マイナス金利政策」が解除され、金融市場は正常化へと動き始めています。これにより、銀行株や保険株などの「金利恩恵セクター」に追い風が吹いています。
③ 為替リスクの低減
円安が進む中で、ドル建て資産の為替リスクが顕在化しています。円で投資する日本株は、そのリスクを回避しやすく、資産防衛の手段としても注目されています。
S&P500・オルカン vs 日本株:どちらが有利か?
それでは、実際にどちらが有利なのでしょうか?ここでは、いくつかの観点から比較してみましょう。
| 項目 | S&P500/オルカン | 日本株 |
|---|---|---|
| 過去10年のリターン | 約+200%(円換算) | 約+80% |
| 為替リスク | あり(ドル高・ドル安の影響) | なし(円建て) |
| 今後の成長期待 | やや鈍化傾向(高金利継続) | 上昇余地あり(構造改革進行中) |
| 分散効果 | グローバル分散が可能 | 国内偏重のリスクあり |
現時点では「どちらか一方が優れている」とは言えませんが、米国株への過度な集中を避け、日本株をポートフォリオに組み入れることが合理的だと言えるでしょう。
日本株へ乗り換える際のポイント
乗り換えを検討する場合、以下の点に注意しましょう。
1. いきなり全額を移さない
長期投資の基本は「分散」です。米国株やオルカンを完全に売却して日本株に移すのではなく、少しずつ割合を変えるのが理想です。
2. つみたてNISAを活用する
2024年からの新NISA制度では、非課税枠が拡大され、国内外の投資信託を自由に組み合わせられます。日本株インデックスファンド(例:TOPIX連動型)を一部追加するのも良い方法です。
3. セクター分散を意識する
日本株といっても、製造業・金融・インフラ・サービスなど多様な業種があります。特定のテーマ(例:半導体、再生可能エネルギー)に偏らないようにしましょう。
4. 為替動向を定期的に確認する
今後円高に転じた場合、米国株資産の価値が下がる一方、日本株の相対的魅力は高まります。経済指標や日銀の政策をウォッチすることが大切です。
おすすめの日本株・インデックスファンド例
以下は、人気の高い日本株インデックスファンドの一例です。
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- 楽天・日経225インデックス・ファンド
- 三菱UFJつみたて日本株式(TOPIX)
いずれも低コストで、長期投資に向いています。S&P500との併用で、リスク分散を図るのが効果的です。
結論:S&P500やオルカンを「卒業」するのではなく、バランスを取る時期
2025年現在、S&P500やオルカンが「終わり」というわけではありません。依然として安定したリターンを期待できる優良な資産クラスです。
しかし、世界経済のバランスが変化する中で、日本株の存在感が高まっているのも事実です。特に以下のような方は、ポートフォリオを見直す良いタイミングでしょう。
- 為替リスクを抑えたい人
- 日本経済の成長を取り込みたい人
- 長期投資で安定したリターンを狙いたい人
米国株×日本株のハイブリッド運用こそが、これからの資産形成のカギです。
まとめ
- S&P500やオルカンのリターンは鈍化傾向
- 日本株は企業改革・政策転換で再評価の流れ
- いきなり乗り換えず、分散・段階的な比率調整が重要
- 新NISAを活用し、国内外のバランスを取る
「どの資産が最強か?」を探すのではなく、どの資産をどんな比率で持つかが資産運用の本質です。これからも冷静に市場を見極めながら、自分に合った投資スタイルを築いていきましょう。
