30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
2020年6月に金融庁から発表された「老後2000万円が必要」というニュースが話題になり、資産運用や投資を始める人が増えており、日本政府としても個人の資産形成を促すために「NISA」などの制度も生まれてきています。
今回は「一般NISA」と「つみたてNISA」の制度についてそれぞれの特徴とおすすめの商品を個人投資家の私が分かりやすく解説していきます。
また、2024年からの税制改正によって「一般NISA」が「新NISA」と制度の見直しがされます。
改正内容について気になる方は参考記事もご確認ください。
「NISA」とは
「NISA」は「Nippon Individual Saving Account」の略であり、直訳すると「日本個人貯蓄口座」という名称になりますが、一般的には「少額投資非課税制度」という制度として説明されることもあります。
NISA制度そのものは2014年1月に誕生し、もともと「一般NISA」の口座だけだったのものが、より長期的な資産形成を促す目的で「つみたてNISA」がその後の2018年1月から制度改正によって追加で設けられました。
NISAの事を「一般NISA」と呼ぶ事もありますが、両者はどちらも同じ意味で、つみたてNISAと区別するために用いられます。
次からメリットとデメリットを解説しますが、どちらにも共通する特徴をあげて紹介していきます。
ちなみにいずれのNISA口座も利用できるのは。日本に住んでいる20歳以上の方となっており、外国籍の方でも在留カードや特別永住者証明書などの本人確認書類とマイナンバーの提出が出来る方であれば口座開設は可能です。
「NISA」と「つみたてNISA」の違い
NISA制度には現在「一般NISA」と「つみたてNISA」の2つの口座がありますが、これらの違いをまとめたのが以下の表です。
一般NISAは年間120万円の投資枠の中であれば何回でも売買ができ、購入できる金融商品も幅広いので短期的に利益を出したい人向きといえます。
その一方で、つみたてNISAの投資枠は年間で40万円までと制限されていますが、最長20年の投資期間があるので合計800万円の非課税枠が用意されているため、長期的な投資が可能な投資初心者向きといえます。
特につみたてNISAは、金融庁が手数料や運用成績などを厳しくチェックした商品だけが購入出来るようにラインナップされているので、投資初心者でも商品選びで失敗することが少ないといわれています。
NISA制度には、これらの口座以外にも「ジュニアNISA」がありますが、2023年末で廃止する事が決定しているので、気になる人は関連記事をご確認ください。
NISAのメリット
NISA口座を使って資産運用する最大のメリットは運用益が非課税である事です。
資産運用と聞いて最初に思い浮かべるのは、「株式」や「債券」などの記入商品が挙げられますが、一般的にこれらは証券会社を通して購入する事が出来ます。
通常、これら金融商品などの売買して得られた利益や配当金には、所得税と純民税を合わせた20.315%の税金が掛かりますが、「NISA口座」を使って運用益を得た場合に発生する税金は免除されるようになってます。(非課税金額などについては後で詳しく解説)
つまり、NISAは運用によって得られた利益に税金が掛からないという非常に優れた制度であり、長期的に資産運用するのに適しているという事になります。
NISAのデメリット
税金面で良い面も多いNISA制度ですが、デメリットについては以下のようなものがあります。
② NISA口座で購入できる金融商品は限られている
③ NISA口座には投資上限額がある
④ 元本の保証がない
これらのついて一つずつ解説をしていきます。
①NISA口座はひとり1口座まで(一般NISAかつみたてNISAのどちらか1つのみ)
資産運用において非常に有利なNISA制度ですが、この口座を開設できるのは1人につき1口座までとなっており、一般NISAかつみたてNISAのどちらか一つのみ選択できるようになっています。
また、NISA口座をどの金融機関で開設するかも重要で、証券会社によってサービスの内容やポイント還元などが若干異なっています。

私はポイント還元が多く、使いやすい「楽天証券」でNISA口座を開設しました。
もしNISAで運用している途中で金融機関を変更したい場合は、1年単位で変更する事も可能ですが、その際には手数料や手間も掛かるので注意が必要です。
一般NISAとつみたてNISAの口座の違いを理解して自分に合った口座を選ぶと良いでしょう。
②NISA口座で購入できる金融商品は限られている
金融資産の種類は様々なものがありますが、NISAで購入できる金融商品は主に以下のものが対象となります。
・投資信託
・国内、海外株式
・国内、海外ETF
・国内、海外REIT など
一般NISAとつみたてNISAで購入できる商品には若干の違いがありますが、一般NISAでは上記の商品を購入する事が出来て、つみたてNISAでは投資信託のみが購入可能となります。
③NISA口座には投資上限額がある
「非課税制度を使ってたくさん投資したい」と思う人もいるようですが、NISA口座で投資出来る金額には上限があります。
一般NISAは年間120万円までの投資が最大5年間は非課税で行う事ができるため、合計で600万円分の取引をする事が可能です。
つみたてNISAは年間の非課税枠は40万円までですが、最長20年間の利用が可能なので合計すると800万円の非課税運用が可能です。
多くの投資家が悩むポイントは、それぞれの口座で非課税となる期間もそれぞれ違うという点です。
そのため自分の投資戦略に合った口座を選択する事になりますが、一般NISAは投資上級者向きでつみたてNISAは投資初心者向けのといわれることが多いです。
その理由は、一般NISAでは個別銘柄やETFといった商品も購入できるため、短期的な利益を出すトレードをする人がそのメリットを享受できるためです。
もちろん短期売買には失敗も多いためそれなりの知識と技術が必要になりますし、特にレバレッジ型ファンドなどで失敗した場合の損失額も大きくなります。
④元本の保証がない
NISAの最大のメリットは運用益が非課税ですが、「投資」である事には変わりないので、元本が保証されてはおらず運用成績によっては損失が出る場合もあります。
元本が保証されていないという事が理由で投資を始める一歩が踏み出せない人が多いようです。
これに関しては「長期・積立・分散」を徹底する事でリスクを最小限に抑える事が出来ると金融庁も述べています。
とはいっても実際の世界の株式の過去200年のデータを見てみると、株価は長期間右肩上がりを続けており、最初に1ドルだけ投資したとしたら現在は60万ドル(6,000万円以上)にまで増えているという実績もあります。
この200年の間には「世界金融危機」や「ITバブル崩壊」など様々な経済危機があったのにも関わらず、年あたりの平均の利回りが約7%となっており、世界の経済はそれに伴って成長を遂げています。
ちなみに2020年のコロナショックにおいても世界の株価は一時的に大きく下落しましたが、その後はアメリカを中心に株価は回復しコロナ前よりも高い水準にまで成長しています。
NISAの始め方
NISAを始めるには証券口座を開設する必要があります。
いずれのNISA口座も以下の金融機関などで口座開設の申し込みをする事ができます。

出典:金融庁ホームページ
銀行の窓口でもNISAの取り扱いをしているので、さらに身近にNISAを始める事ができるようになっていますが、おすすめするのは楽天証券などのネット証券です。
この理由は、ネット証券では手続きがネットで完結できるので非常に手間が少ない事や、対面サービスによる勧誘を受ける事はありません。
口座開設するには本人確認書類やマイナンバーカードの提出や銀行口座の登録が必要で、口座開設が終われば実際に商品を購入する事が出来るようになります。
つみたてNISA口座と商品を選ぶ時のポイント
NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」がありますが、今回は投資初心者に向いている「つみたてNISA」を利用して商品を選択する方法について解説します。
金融庁がチェックした商品だけがつみたてNISAで販売できるようにはなっているので、投資初心者でも失敗は少ないと言われていますが、それでも中には長期投資に向かない商品も一部紛れているのは事実です。
つみたてNISAで長期的に資産形成をしたい場合は、購入する投資信託を選ぶ際には以下の3つに該当する商品を選択すると失敗は少なくなります。
・ノーロードの商品(購入手数料0円)
・信託報酬(手数料)0.1~0.2%の商品
以上の3点をクリアする商品であれば長期的な運用である程度の成績を出す事が期待できます。
ちなみに以下の商品はつみたてNISAで購入するべき低コストで超優良ファンドの代表格も紹介しておきます。
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・SBI・全世界株式インデックス・ファンド
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド

これ以外にもまだまだ優良ファンドはあります。
全世界株式 or 米国株式に投資するインデックスファンド
NISAで商品を選ぶ時には、全世界か米国の「株価指数」に連動するインデックスファンドを選択する事が長期的に運用するために適しています。
「株価指数」は、日本の「日経225」や「TOPIX」にあたるもので、様々な企業の株価の平均値などを指数化したものです。
全世界や米国の株価指数で有名なものは「MSCIコクサイ・インデックス」「FTSE全世界株価指数」「S&P500」「NASDAQ」などがあります。
上記は「NASDAQ(緑)」「S&P500(青)」「MSCIコクサイ(ピンク)」「日経225(紫)」の約40年間の株価指数を比較したものです。
このことからも分かるように長期的には世界に目を向けた、分散投資が有効であると考えられます。
長期投資において、逆に選んではいけない商品が「アクティブファンド」と呼ばれるものです。
アクティブファンドは短期的に見れば高い収益を出しているものもありますが、長期的に見ればほとんどの商品がインデックスファンドの運用成績に勝てなかったという研究データもあります。
つみたてNISA口座で購入できる投資信託には、金融庁が厳しく審査した商品だけですのでアクティブファンドが少なく、また長期投資に向かない粗悪な商品はほとんどありませんが、投資家の間では「全世界か米国のインデックスの投資信託一本だけで良い」という意見も多くあります。
ノーロードの商品
「ノーロード」を直訳すると「負荷が無い」という意味ですが、投資信託を購入する際には「購入時手数料」と「売却手数料」が掛からない商品を選ぶ事をおすすめします。
購入時にお金が掛かる投資信託は今でも結構見られますが、長期的な視点で見るとこの手数料が運用益に与える結果の差は非常に大きくなります。
現在ではこのノーロードの投資信託が多くなってきており、つみたてNISAで購入出来る商品の多くはノーロードです。
信託報酬(運用コスト)0.1~0.2%の商品
購入時と売却時に発生する手数料以外にも、投資家が負担する費用が「信託報酬」です。
投資信託はまとまったお金をファンドマネージャーが運用するので、そのファンドマネージャーなどに支払う手数料のことです。
この手数料も長い目で見れば運用成績に大きな影響を与えますが、商品によっては1~2%というかなり高めの商品もあります。
最近のインデックスファンドでは信託報酬が0.1~0.2という低コストのファンドが誕生しているので、これらの商品を選ぶのが賢い選択といえます。
信託報酬は高くても年0.5%くらいまでを限度に選ぶと良いと思います。
つみたてNISA口座で購入できる商品でも手数料1%以上と比較的手数料が高額なものがあるので、よく選んで手数料の低い投資信託を購入する事をおすすめします。
さいごに
老後2000万円問題が浮上するもっと前から、巷では将来の年金が枯渇するなどが噂されてきており、それを政府が補う形でNISAなどの制度が整備されてきました。
現在でも国民から集めた年金はGPIFという機関が国民に代わって資産運用してくれていますが、それが徐々に個人の責任にすり替わってきており、「自己責任論」を唱える風潮にもなりつつあります。
「自己責任論」を唱える人を否定するつもりはありませんが、時代がそう変わってきている以上は自分で考えて行動するしか方法はなさそうです。
少なくてもNISAの制度は国民にとって非常に有用な制度になるので使わない手はありませんし、私自身も投資枠上限まで運用をしています。
私の資産運用の成績については別の記事でも公開しているのでぜひ参考にしてください。