30代会社員のなおつんです。
今回は楽天から誕生した「楽天レバナス」について解説し、強力なライバルである「iFreeレバレッジNASDAQ100」と比較してどちらが有利か比較します。
私は資産運用をこのブログで公開しているので、興味がある方は関連記事をぜひご覧ください。
「楽天レバナス」の商品概要
楽天レバナスの正式名称は「楽天レバレッジ NASDAQ-100」という商品名です。
レバレッジとは小さな資金でも大きな金額の取引を出来るようにして高いリターンを狙う目的がある商品です。
高いリターンを狙える一方でリスクも通常のファンドと比較して高く、株価の下落時には指数よりも大きく価値が目減りするハイリスク・ハイリターンの商品といえます。
楽天証券から発表された「楽天レバナス」はどのような特徴があるのかまとめると以下のようになります。
① 運用会社は楽天投信投資顧問が運用
② ファンド設定日は2021年11月17日
③ NASDAQ-100指数に対して約2倍の値動きを目指す
④ 株価の値上がり時に大きなリターンが期待できる
⑤ 株価の値下がり時に大きなダメージを受ける
⑥ 信託報酬は年率0.77%(税込み)とレバレッジ型ファンドの中では良心的
⑦ 購入時手数料は3.3%(楽天証券なら無料)
米国NASDAQ市場に上場している約3,000銘柄のうち、時価総額、つまり会社の規模が大きい企業から金融銘柄だけを除いた上位100社で構成されている株価指数です。
NASDAQ-100指数はNASDAQの中でも厳選された銘柄で構成されており、2021年11月現在の構成銘柄は「Apple」「Microsoft」「Amazon」「Alphabet」「Facebook」「Tesla」などがあり、アメリカの超大手企業が名を連ねています。
楽天レバナスはこれらアメリカの優良企業で構成されたNASDAQ-100のおよそ2倍の値動きをするファンドなので非常に高いリターンを狙った商品です。
NASDAQ-100指数の過去の株価推移
米国の大手企業で構成されたNASDAQ-100指数の長期株価推移は以下の通りです。
NASDAQ-100指数は約20年間で株価を7.3倍にも成長させています。
アメリカの大手企業500社に連動するS&P500と比較してもその差は歴然としてNASDAQ-100指数の方が勝っています。
2008年のリーマンショック時点まではS&P500よりも低水準だったのが、リーマンショックからの回復力が大きく現在でも高値を更新しているほど強い指数である事が分かります。
iFreeレバレッジナスダック100との比較
楽天レバナスの強力なライバル商品であるiFreeレバレッジNASDAQ100との比較は以下の通りです。
どちらのファンドもほとんど同じ商品と言ってもいいですが、一番の違いは信託報酬の差です。
iFreeレバレッジNASDAQ100は信託報酬が年率0.99(税込み)に対して、新しく誕生した楽天レバナスは信託報酬が0.77%(税込み)と0.22%も安い事になります。
ただし実際の運用に掛かるコストは信託報酬以外にも「売買委託手数料」や「保管費用・監査費用」という隠れコストも発生し、実質的な運用コストは別途掛かります。
これらのコストは実際に運用してみないと判明しない部分があり、iFreeレバレッジNASDAQ100は信託報酬0.99%とその他の費用を合計した実質コストが年率1.172(税込み、2020年の実績)であったのに対して、楽天レバナスはまだ運用実績が無いので、実質コストはまだ分かりません。
投資信託の「隠れコスト」について⇩
【投資信託は「信託報酬」ではなく「実質コスト」を見よ!】
ちなみに信託報酬が0.22%違うと長期投資でどのくらいの差が出るかというと以下のグラフで表す事が出来ます。
上記のグラフは年率5%のファンドを最初に100万円投資をして、信託報酬0.77%と0.99%のそれぞれ比較したものです。運用リターンは年間5%で計算しています。
信託報酬の差はわずか0.22%ですが、35年後には30万円程度の差が開きます。
実際の運用では毎月積み立てをする場合も多いと思うので運用額が増えれば増えるほどこの差は開いていく事になります。
楽天レバナスとiFreeレバレッジNASDAQ100は信託報酬の差が0.22%ですが、実質コストがどのくらいの差になるのかが今後の比較ポイントになりそうです。
また、iFreeレバレッジNASDAQ100を運用する大和アセットマネジメントが、楽天レバナスに対抗して信託報酬を引き下げてくる可能性もあるかも知れません。
楽天レバナスの実質コストを勝手に推測
楽天レバナスとiFreeレバレッジNASDAQ100の違いは、ほとんど信託報酬の差のみといってもいいくらいですが、信託報酬以外の隠れコストについては最低1年間運用してみないと実質コストについては分かりません。
そこで、実質コストをある程度は予測が出来ないかと、楽天証券で購入できる同様の投資信託の実質コストを調べてみました。
調べるにあたって参考にしたのは、以下の条件に合う信託報酬です。
① 楽天投信投資顧問が運用するファンドである事
② アクティブファンドであること
③ 信託報酬が「楽天レバナス」と近いもの(0.77%付近)
これらのファンドの運用レポートをいくつか調べると、信託報酬に対してどのくらい実質コストが発生しているのかがある程度は把握できます。
信託報酬0.99% ⇒実質コスト1.421%
信託報酬1.023% ⇒実質コスト1.215%
信託報酬0.923% ⇒実質コスト1.352%
信託報酬0.826% ⇒実質コスト1.01%
信託報酬0.556% ⇒実質コスト0.67%
これらのファンドを見ると信託報酬に対して0.1~0.4%程度のコストが追加になっている事がわかります。5つのファンドの平均のコスト差は0.27%です。
この数値を楽天レバナスに当てはめて、iFreeレバレッジNASDAQ100と再度比較すると以下のようになります。
楽天レバナスの実質コストは1.04%と推測できました。
多少これより高くなったとしても1.1%程度には収まると考えられます。
まとめ
今回紹介した楽天レバナスやiFreeレバレッジNASDAQ100についておさらいです。
・レバレッジ型ファンドとして投資家の期待は高い
・信託報酬はライバル商品より低いが、実質コストはまだ不明
・実質コストは高くても1.1%程度になると推測
楽天レバナスはハイリスク・ハイリターンの商品である事には変わりないので、S&P500やMSCIコクサイなどの指数に連動するインデックスをまずはやりながら、投資にひとつスパイスを加えたければ少額で購入してみる事は良いと思います。
今後もハイテク株が成長し続ける事が期待出来れば大きなリターンを期待できるので、割の良い宝くじ感覚で毎月積み立てをしている投資家も多いようです。
興味があればぜひ関連記事も読んでいただきお役に立てればと思います。