30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
金融庁から「給与ファクタリング」に関しての注意喚起が発表されました。
今回は給与ファクタリングの内容と金融庁の注意喚起の発表について、個人投資家の私が解説していきます。
給与ファクタリングとは
給与ファクタリングはどんなサービスなのかというと、「給料日前にお金を貸してくれるサービス」の事です。
上の図が給与ファクタリングのサービスの流れですが、これだけではなんら違法性はありませんし、単純にお金を借りて返すというだけの行為です。
給与ファクタリングのポイントは業者が「給与を担保にしてお金を貸した」という点と「法定外の手数料の高さ」にあります。(後で詳しくかいせつします。)
また、業者がサービスを提供する時に、
「ブラックリストでも大丈夫」
「利息なし」
「即日に振り込み」
などと謳い文句を言い、顧客を集めてお金を貸しています。
このサービスが貸金業に抵触するという事や消費者への金銭的・精神的被害が多発している事をうけて金融庁が注意喚起を促す事となりました。
給与ファクタリングについての金融庁の注意喚起
給与ファクタリングについて金融庁は「あなたの生活が破綻する恐れがあります!闇金融業者を絶対に利用しないでください」と消費者保護の観点から訴えています。
給与ファクタリングを利用した被害事例として、
・年利換算で数百%にもなる利息の支払い
・家族や勤務先へのしつこい電話や大声での恫喝
・高額な遅延損害金の請求
などが報告されているようです。
これらをひとつずつ詳しく解説します。
年利換算で数百%の利息の支払い
日本の貸金業の年間の利息は「利息制限法」や「出資法」で規制されており、上限20%までと定められています。(金額により変動あり)
つまり10万円を借りた場合、1年間の利息分は2万円までということになります。
1年間で2万円の利息という事は、単純計算で1日あたり54円までです。
20,000(年間利息) ÷ 365(1日あたり) = 54.8円
しかし、給与ファクタリング業者は「手数料」という名目で、数日だけで数千円の利息を消費者から徴収します。
この数日間だけで数千円の利息となると、年率換算ではとんでもない高額な利息になります。
業者は名目上は「手数料」としてお金を徴収しますが、これが実質的な利息にあたるとして金融庁は注意を呼び掛けています。
家族や勤務先へのしつこい電話や大声での恫喝
給与ファクタリングを利用する際には、個人情報などを業者に提出する場合がほとんどで、中には家族や会社の連絡先も教える必要がある業者もあります。
給料日になっても他の支払いなどでお金が返せない場合の業者の対応にも問題がありました。
家族や会社にも何度も電話で連絡をするなどして取り立てを行ったり、時には大声で怒鳴ってお金を回収するなんてこともあるようです。
ここまでされると家族や会社からの信用も無くなり、今後は会社にも居づらくなるなど精神的なダメージも大きくなります。
高額な遅延損害金の請求
給与ファクタリングを利用する消費者は他にも様々な借金をしていると推測が出来ます。
給与ファクタリング業者は「ブラックリストでも大丈夫」という事を謳っているので、多くの消費者はブラックリストなどですでに多方面からの借金があるため、藁にもすがる気持ちでこのサービスを利用します。
その場合でもなんとか給料日に返済が出来れば良いのですが、返済が出来ない場合は高額な遅延損害金を請求しさらに消費者を苦しめる事になります。
給与ファクタリングの違法性
ここでは給与ファクタリングの違法性について解説します。
貸し付け金利が法定外に高額である
これは先ほども解説しましたが、「利息制限法」と「出資法」に基づいて決められているのでこれの上限を超える利息でお金を貸すことは違法です。
これがたとえ「手数料」という名目であったとしても実質的に利息であるといえます。
貸金業者の登録がされていない業者がサービスを提供している
貸金業を行うには、「財務局長」または「都道府県知事」の登録を受ける必要がありますが、給与ファクタリング業者はこの登録を受けていない業者がほとんどだと思われます。
登録がされていないいわゆる「ヤミ金業者」は、法定外の高い利息でお金を貸しており違法性が高いとされます。
給与は債権譲渡できない
企業と従業員の関係は「雇用契約」によって労働条件が決められており、給与の支払いは以下の「5原則」があります。
①通貨で支払う事
②労働者に直接支払う事
③全額支払う事
④毎月1回以上支払う事
⑤一定期日に支払う事
特に②の労働者に直接支払うという点について、お金を借りた本人が給与を担保にする事を合意の上であっても、給与ファクタリング業者は会社に直接的に返済の要求は出来ない事になっています。
給与ファクタリングの場合の債権譲渡とは「給与をもらう権利」を第3者に渡す(売る)行為ですが、先ほどの原則の②では直接労働者に支払う事とされているため債権譲渡は出来ません。
まとめ
「手を変え品を変え」という言葉があります。
この言葉には何度も繰り返して挑戦する姿が浮かばせますが、必ずしも良い意味だけに使われる事は無いようです。
今回の給料ファクタリングは、名前だけ変えたいわば「高利貸し」と同じです。
商品やサービスを提供する側は、そのものを分かりやすく説明しているように見えますが、あの手この手を使い消費者に本質を見えなくさせる事もあります。
給与ファクタリングは相当お金に困った人が利用していると予想していますが、そういう精神状況でまともな判断が出来るとは思いません。
しかし冷静になって考えた時に「本当に自分に必要だろうか?」と疑問を持ったり、日頃から広く情報を集めておくことで、怪しい商品やサービスの勧誘を受けたとしても適切に対処が出来るとおもいます。
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ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。