30代会社員のなおつんです。
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今回は「SBIソーシャルレンディングで常時募集されているファンドは儲かるのか」という事を個人投資家の私が検証していきたいと思います。
ソーシャルレンディング投資について理解を深めたい方は関連記事をご確認ください。
SBIソーシャルレンディング、常時募集のファンドとは
SBIソーシャルレンディングには常時募集しているファンドがあります。
他のソーシャルレンディング業者の場合、新たなファンドが募集が開始されるまで待ちぼうけという事もあるので、常時募集してくれているのは非常にありがたいサービスです。
しかし、この常時募集ファンドである「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」の中身についてはあまり語られていないため、今回は深堀して解説していきます。
ファンド概要
最初にファンドの概要についておさらいしておきます。
営業者であるSBIソーシャルレンディングの2020年3月決算時点の業績と財務状況は以下の通りです。(百万円以下の端数は切り捨て表示)
経常利益:25億8,100万円
当期純利益:3億4300万円
負債総額:473億4,700万円
純資産総額:8億3,300万円
投資先は主に貸金業者
このファンドを通して投資される事業先は、主に不動産を担保にお金を貸し出すローン会社です。
上の図は私たち投資家とローン利用者までの関係性を簡単に表したものです。
投資家のお金はSBIソーシャルレンディングを通じて借り手企業(ローン会社)へ出資されます。
借り手企業はこの資金を元にローン利用者へさらにお金を貸し付けし、利用者の返済によって借り手企業、SBI、投資家にそれぞれ段階的に利息や分配金が支払われる仕組みです。
もし、ローン利用者がお金を返せなくなった時のために貸し付け時に「抵当権」という権利を設定し、ローンの担保する事で貸し倒れのリスクを抑えています。
このように投資家の投資金はSBIソーシャルレンディングを通して貸金業者へと融資されます。
貸付け金利と配当の関係
前項の説明の通り、投資家への分配金の原資はローン利用者の原資となりますが、投資への分配金を出すには相当高い金利で借り入れをしている事が予想出来ます。
SBIソーシャルレンディングが公開している情報では各階層での金利差は以下のようになっています。
投資家の分配金利回りは2.5~5.0%(貸し付け事業者によって異なる)、SBIがローン事業者へ貸し出す金利は4.0~6.5(貸し付け事業者によって異なる)となっておりSBI側はわずか1.5%のみの金利差だけで利益を出す構造です。
この辺のからくりは少し疑問が残るところですが、最終的なローン利用者への融資条件は法定範囲内でのかなり高い金利であると予想出来ます。

末端の融資金利は恐らく10%は超えてくるでしょう。
投資先企業のデータ分析
このファンドはSBIの裁量によって最大8社の次号者へ融資されます。
この8社についてはある程度の情報は公開されているので、個人投資家の私がそのデータから見える業績や財務状況を判断したいと思います。

総合評価や企業へのコメントに関しては個人の主観も含む内容がある事をご理解ください。
以下が8社の融資先事業者の業績と財務状況をまとめたもので、資金需要によってその都度融資先をSBIが判断しているので、投資家はどの企業に融資をするのかは選択出来ません。
懸念すべきポイントはローン事業者の経常利益率がSBIからの借入金利を下回っている場合です。
事業の利益が返済原資と端的に考えると、返済の方が厳しい条件なので、本業をもっと頑張るか金利を下げてもらうしか選択肢はなくなります。
各社の業績の中身まで確認したわけではないのと、経常利益はすでに融資を返済した後の数値なので営業利益率で計算した場合は少し状況は変わって見えてくるかも知れません。
常時募集ファンドは結局儲かるの?
このブログでは何度も「投資にはリスクが付きもの」という話をしています。
利回りが高い=リスクが高いというのは投資の本質になるので、それを念頭に置いた上で今回のSBISL不動産担保ローン事業者ファンドは儲かるのかどうかという結論に対しては、「投資価値アリ」と個人的には判断してます。
当然、貸し倒れなどのリスクがある事は事実ですが、それを踏まえてもリスクをとって投資する事で大きなリターンを得る事が出来ます。

しつこいですが、リスクを十分に理解して投資を行ってください。
投資家には5%程度の高い分配金を支払う一方で、SBI側はわずか1.5%の金利差だけで利益を出せるからくりについては少々疑問点があるところです。
これについては今後何か分かれば記事にしていきたいと思います。
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ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。