30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
今回は日経大手企業の「東急不動産ホールディングス株式会社」について有価証券報告書に書いてあることを抜粋しながら紹介したいと思います。
今回この企業を取り上げたのには理由があって、先日「株式会社LENDEX」というソーシャルレンディングという投資サービスを提供している会社に投資案件の申し込みをしたのですが、このLENDEXと東急グループには業務委託などのつながりがあるようなので調べてみようと思いました。
LENDEXが提供しているソーシャルレンディングの案件については別の記事を参照してください。⇒ ソーシャルレンディング「LENDEX」を試した実績公開!
私にとって「東急」と聞いて馴染み深いのは「東急ハンズ」ですが、もともと東急グループの始まりは社名にもあるように不動産関連事業などを営む会社が合併した会社となっています。
「東急グループ」の事業内容
東急はグループ会社として子会社184社も傘下に持つモンスター企業で、事業内容は以下のようになります。
不動産に関する様々な事業を手掛けているのと、会員制リゾートホテルやゴルフ場などの経営もグループ企業が幅広く展開している事が分かります。
ちなみに有価証券報告書やホームページには明言はされていませんでしたが、LENDEXが出資している不動産の査定は東急リバブル㈱が行っているようです。
過去2018年頃まではLENDEX出資先の借入人資料には「東急リバブル調査報告書」という事が記載してありました。
直近の業績
東急グループの2020年3月末までの業績は以下のようになっています。
※千万円以下四捨五入
また事業ごとの売上比率も紹介しておきます。
※千万円以下四捨五入
※セグメント間の売上を除く
経常利益のみ前年割れをしているものの、売上高と最終的な純利益である当期純利益が昨年よりも上昇しています。
中長期計画
東急グループは中期経営計画として「Value Frontier 2020 Stage2 中期経営計画2017-2020」を策定し「関与アセット拡大」と「新たな需要創出」により、「価値を創造し続ける企業グループ」を目指しています。
中期経営計画の具体的な目標としては以下のように定めています。
当期純利益 500億円以上
D/Eレシオ 2.3倍以下
EBITDA倍率 10倍
ROE 8%超(2020年度に新たに目標設定)
EPS 69.53円(2020年度に新たに目標設定)
D/Eレシオという言葉について簡単に説明しておくと、別名”負債資本倍率”(デット・エクイティ・レシオ)と言い、これは会社の借金と自己資金の割合のことを言います。
D/Eレシオが1倍であれば借金と自己資金の金額が同じで、1倍よりも小さければ借金よりも自己資金の方が多く財務状況は安全と言われています。
以下の図で更に簡単に説明すると、Aさんは3,500万円の住宅を買うのに自己資金が3,000万円出して500万円をローン、一方でBさんは同じ3,500万円の住宅に500万円の自己資金と残り3,000万円はローンという状態です。
D/Eレシオは、(有利子)負債÷自己資本で求められますが、それぞれD/Eレシオを比べると、BさんよりもAさんの方が倍率は低く1倍を割っているので財務上は安全といえると思います。
EBITDA、ROS、EPSも経営の指標としては重要なのですが、これらの説明をすると記事が非常に長くなってしまうのでここでは説明を省略します。
決算報告書では新型コロナウイルス感染拡大の事業に与える影響についても記述されており、合理的な影響の大きさを見積もる事は難しいとしながらも、第2四半期以降(2020年7月以降)は徐々に業績が回復していくことを想定しているようです。
事業のリスク
不動産事業を幅広く手掛けている東急グループですが、ここで事業の主なリスクについて紹介していきます。
投資リスク
不動産といえば景気の動向や市況によって保有する不動産の価値の下落や収益の悪化などの影響をもろに受けます。
過去にも他の記事で紹介した別の会社でも、店舗用の土地を会社が保有しておりその土地の価値が下落した場合は会社の資産が減って含み損状態になるというケースもありました。
不動産は不況にも強いという方もいるようですが、持っている資産価値の下落というリスクは抱えています。
財務資本リスク
先ほども説明しましたが、東急グループでは銀行などから借入れしているお金として決算時点での流動負債の合計が約8,890億円ほどあります。
これらの負債には返済する時に利息が付きますので、金利が上昇すると支払い利息も同時に上昇するリスクがあります。
今は金利が非常に低い状態ですが、将来的に金利が上昇する事になれば業績に与える影響も大きくなります。
気候変動リスク
東急グループで認識している気候変動リスクは「移行リスク」と「物理リスク」とあります。
移行リスクとは、炭素税などの法規制の厳格化といった政策動向の変化やこれに対応できない企業に対する需要の低下を挙げています。
物理リスクとは、地球温暖化による降雪量減少によるスキー場運営への影響や異常気象による建物への影響と工事期間延長によるコスト増加が想定されるリスクとして認識しています。
どちらのリスクも外部環境によることからリスク管理が難しいですが、東急グループとしてはコーポレートコミュニケーション部サステナビリティ推進室を主管部署として必要な審議・協議を行い取締役会にて報告できる仕組みを取り入れています。
特質すべき点とまとめ
今回の有価証券報告書から分かったことを以下にまとめました。
・売上高経常利益率は7.0%と不動産ならではの収益性の高さが窺える。
・私が知りたかったLENDEXに関しては情報は無し。子会社の東急リバブル㈱が片手間に行っている程度の規模か!?
以上、このブログでは会社員や学生さんの役に立つ情報や考え方を発信しています。
ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。