30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
投資家から根強い人気がある米国高配当ETFの代表的銘柄である「VYM」「HDV」「SPYD」と全世界株に投資出来るETF「VT」を比較して、どちらの方が高い成績かを検討します。
私は米国高配当ETFを含めて資産運用の実績を公開していますので、興味がある方は関連記事もぜひご覧ください。
米国高配当ETF「HDV」「VYM」「SPYD」について
米国高配当ETF「VYM」「HDV」「SPYD」について2021年10月時点での情報をまとめたのが以下の表です。
それぞれのETFはどれも運用している会社は違いますが、アメリカを代表する大手の資産運用会社です。
どのETFも個別の特徴を持っており、投資家に約3~4%程度の高い分配金を3カ月に1度の頻度で支払ってくれます。
ちなみに私もこの3つのETFには分散投資を行っており、分配金の支払い月である3月、6月、9月、12月をいつも楽しみにしています。
今回は全世界株式に連動するETFの「VT」を使って各高配当ETFのチャートなどを比較していきます。
VYMとVTの比較
VYMの正式名称は「Vanguard High Dividend Yield Index Fund ETF Shares」といいます。
VYMが誕生した2006年11月から2021年9月までのVTと比較したチャートは以下のようになっています。(2008年5月以前のデータが取れなかったので2008年6月からの比較となっています。)
VYMとVTの同期間のチャートを比較すると、僅差ながらもVYMはVTよりも好調である事が分かります。
この約13年間でVTは2.1倍になっているのに対して、VYMは約2.5倍となっています。
また2020年のコロナショックにおいては、VTは約32.4%の暴落に対してVYMは約32.5%の暴落とほぼ同じくらい下落しています。
コロナショックから株価が暴落前まで回復するまでに掛かった日数は、VTが約5か月間だったのに対して、VYMは約10ヵ月間も要しています。
VYMの分配金の推移は以下の通りになっています。
長期間で見るとやや右肩上がりの分配金の推移となっており、直近の3ヵ月ごとの決算時点の分配金は約0.7~0.8ドルの間で推移しています。
全期間の1株あたりの分配金の合計は29.1ドルとなっており、これを株価チャートのリターンに合算して計算した場合、VYMは約13年間で約3.1倍のリターンを出している事になります。
VTは同期間で2.5倍のリターンを出している事を考えると、高配当ETFであるVYMは全世界株式のインデックスVTに大きく勝っているという事が分かります。
HDVとVTの比較
HDVの正式名称は「iShares Core High Dividend ETF」といいます。
HDVが誕生した2011年3月から2021年9月までのVTと比較したチャートは以下のようになっています。
HDVとVTの同期間のチャートを比較すると、HDVはVTを上回っている期間がほとんどですが、最終的にはVTよりもわずかに下回っている事がわかります。
この約10年間でVTは2.1倍になっているのに対して、HDVは約1.9倍となっています。
2020年のコロナショックにおいては、VTは約32.4%の暴落に対してHDVは約31.6%の暴落なのでほぼ同じくらい下落している事がわかります。
だたコロナショックから株価が暴落前まで回復するまでに掛かった日数は、VTが約5か月間だったのに対して、HDVは約1年間掛かっており、ここでVTがHDVを逆転して好成績になっている事がわかります。
HDVの分配金の推移は以下の通りになっています。
設定来からの分配金の推移を見るとやや右肩上がりとなっており、直近の3ヵ月ごとの決算時点の分配金は約0.7~0.9ドルの間で推移しています。
全期間の1株あたりの分配金の合計は28.54ドルとなっており、これを株価チャートのリターンに合算して計算した場合、HDVは約10年間で約2.4倍のリターンを出している事になります。
VTは同期間で2.1倍のリターンを出している事を考えると、HDVとVTはほぼ同じリターンを出していることが分かります。
SPYDとVTの比較
SPYDの正式名称は「SPDR Series Trust – SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF」といいます。
SPYDが誕生した2015年10月から2021年9月までのVTIと比較したチャートは以下のようになっています。
SPYDとVTの同期間のチャートを比較すると、SPYDはVTとほぼ横ばいだったのが、2020年2月~3月のコロナショックでSPYDが大暴落してからはVTに一歩及ばずという成績です。
この約6年間でVTは1.8倍になっているのに対して、SPYDは約1.3倍の増加にとどまっています。
2020年のコロナショックにおいては、VTは約32.4%の暴落に対してSPYDは約43.5%も暴落しており、VTと比較すると非常にダメージが大きかった事が分かります。
さらにコロナショックから株価が暴落前まで回復するまでに掛かった日数は、VTが約5か月間だったのに対して、SPYDは約1年間掛かっているので回復するまでにかなり時間がかかり投資家のストレスも大きかったと思われます。
SPYDの分配金の推移は以下の通りになっています。
設定来からの分配金の推移を見るとほぼ横ばいとなっており、直近の3ヵ月ごとの決算時点の分配金は約0.2~0.6ドルの間で推移しています。
全期間の1株あたりの分配金の合計は9.22ドルとなっており、これを株価チャートのリターンに合算して計算した場合、SPYDは約6年間で約1.6倍のリターンを出している事になります。
VTは同期間で1.8倍のリターンを出している事を考えると、SPYDは高配当でありながらも全世界株式のVTには最終的に負けています。
「米国高配当ETF」か「全世界株インデックス投資」か
投資家に人気の米国高配当ETFにおいても、最終的なリターンは全世界株のインデックス投資とほぼ同じのリターンかETFによっては結果的に負ける成績である事が分かります。
ちなみにVTも分配金は出ますが、VTは配当を出す事がメインのETFではないので今回は割愛して計算しています。
高配当ETFを買うか大人しく全世界のインデックスを買うかは投資家の考え方によって意見は分かれそうです。
高配当ETFは保有しているだけで定期的に現金収入が入ってくるので、非常に魅力的な商品であることには間違いありません。
ただしETFを購入する場合、分配金を受け取る時に米国と日本の両方の税金が発生する点には注意が必要で、分配金を再投資すると長期的な資産運用の効率は悪化します。
実際私自身も資産の40%以上は今回紹介した「VYM」「HDV」「SPYD」などの米国高配当ETFが占めています。

もちろん「NISA」や「確定拠出型年金」などの制度を利用してインデックス投資も行っており、インデックス投資の方が最終的なリターンが良いと分かってはいますが、それでも高配当ETFは魅力があり毎月定額を購入しています。
まとめ
今回は米国高配当ETFである「VYM」「HDV」「SPYD」が全世界株式のインデックス投資とほぼ同じリターンを出しているという事が分かりました。
高配当ETFは不労所得である分配金を定期的に振り込んでくれるので、その人の投資スタイルに合わせて選択する事が重要だと思います。
私はこれらのETFを今後売却する予定は全くなく、永久保有しても良いかと考えています。
保有しているだけで分配金が受け取れるので、老後は年金代わりにもなる事を考えると、今のうちからこれらの資産を少しずつ積み上げておこうかと考えています。

高配当ETFの分配金は課税されるので、長期的には全世界株式インデックス投資の方が効率は良いのですが。。。
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