30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
今回はJR西日本がコロナ禍の影響で業績悪化のため、ボーナスを減額したニュースを取り上げてJR西日本の直近の業績を解説していきます。

ボーナスについては最後に述べます。
JR西日本の企業概要
JR西日本の正式名称は「西日本旅客鉄道株式会社」といいます。
近畿、中国、北陸地方の一部のJRの鉄道路線を持つ民間企業です。
本社は大阪府大阪市に構え、鉄道事業以外にも不動産、小売業、ホテル、建設工事業も展開しています。
今のJR西日本の設立は鉄道事業が民営化された1987年4月ですが、前身は国鉄時代にまで遡り、1972年3月に「新大阪駅~岡山駅」に山陽新幹線の営業開始をしています。
新幹線と在来線による2019年4月~2020年3月末までの1年間の輸送人員は、1兆9,000億人を越えています。
JR西日本の直近の業績
EDINETに公開された四半期報告書に書かれている直近3カ月の業績をまとめました。
上の表を見て分かるように前年同期比と比べて減収減益の結果となっています。
これの影響はニュースでも話題になっている新型コロナウイルス感染症による旅行や出張の需要が大きく落ち込んだことです。
JR西日本はホテルや不動産業も同時に営んでいる事からダブルパンチの状態で各セグメントで大きな打撃を受けています。
鉄道事業では、四半期の輸送人員が前年同期比の約3割減である3,171億人となっています。
財務上の安全性においてもは次で解説します。
各用語については【財務諸表の読み方】という別の記事にまとめてあるので参考にしてください。
自己資本比率
JR西日本の自己資本比率は29.7%となっており、前年同期と比較して多少悪化しています。
この理由は「社債」と「借入金」が2,701億円増加したためです。
借入金などが増えるとバランスシートの負債の部(右上)が拡大するので相対的に自己資本比率が下がるようになります。
業種や経営方針によって自己資本比率は幅があるので、一時的に少なくなる事が一概にダメとはいえませんが、そもそもの売上が落ち込むことで業績の悪化している影響は出ているといえます。
流動比率と当座比率
短期的なキャッシュの支払い能力を計る「流動比率」は101.5%となっています。
上の表には出ていませんが、前年同期の数値では61.8%でしたのでこちらは改善しています。
借入金による現金が増えた一方で、未払金が大きく減少している事が考えられますが、流動比率は200%以上ある事が望ましいとされているので、厳しい状況である事には変わりません。
さらに短期的な支払い能力として「当座比率」も用いられますが、こちらは87.0%と短期的な負債に対して手許現金が少ないため、今後の資金繰りが多少厳しくなる事が予想されます。
有利子負債依存倍率(D/Eレシオ)
「有利子負債依存度」は1.11倍となっているため、やや借入金に頼っている状態です。
JR西日本の有価証券報告書や今回の四半期報告書では目標となる数値は記されていなかったので、現在では特に問題視はしていないと思われます。
今後の業績をどのように予想していくかがカギとなります。
ボーナスのお金はどこにある?
従業員のボーナスは貸借対照表上で「賞与引当金」という項目で引き当てている事がほとんどです。
ボーナスは「未来に支払うお金」として、借入金と同じ「負債の部」に記してあります。
この引当金を個人の家計で例えると、来月のクレジットカード支払いのために銀行の預金を予め頭の中でマイナスにして計算しておくという考え方です。
貸借対照表を見れるようになると自分の会社が、どのくらいのボーナスを払う準備があるのかを見れるようになります。

JR西日本の貸借対照表の一部抜粋
2020年6月末の四半期決算では180億円ほど残高があるので、これを従業員の数で割ると概算の金額が予想できます。

あくまで概算なので職級や査定によって個人のボーナスは大きく変わりますが。
まとめ
業績悪化により冬のボーナスの減額発表は決して他人ごとでは無く、今後は多方面の企業で実施される事かと思います。
自分の会社や競合他社の情報は日頃から収集しておくと仕事にも役に立つとはずですので積極的に調べるようにしておきましょう。
このブログでは会社員や学生さんの役に立つ情報や考え方を発信しています。
ぜひ興味があれば別の記事を読んでいただきお役に立てればと思います。