30代会社員のなおつんです。
このブログでは30代会社員の悩みを同じ会社員へ向け共有し、今日よりも明日へ一歩前進できるような記事を書いています。
今回は検索ワード急上昇している、「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)」という投資信託について解説いたします。
私は個人投資家として活動しており、別の記事では資産運用の実績や投資に関する情報も発信していますので、気になる方は他の記事も見てください。
デジタル・トランスフォーメーション株式ファンドの概要

出典:デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド目論見書
「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」について解説する前に、最近よくニュースなどで聞かれる「デジタル・トランスフォーメーション」についてもう一度解説しておきます。
デジタル・トランスフォーメーションとは、様々なモノがIT化になる事で人々の生活が変化し、より豊かな生活になるという概念を表した言葉です。
最近聞かれるようになりましたが、実はすでにスウェーデンの大学教授が2004年に提唱していたとされ、デジタル・トランスフォーメーションのその歴史は十数年になります。
また、「DT」や「DX」と略される事もあり、最近ではこれを積極的に取り入れている企業を「DX企業」と呼ぶこともあります。
デジタル・トランスフォーメーションと難しい言葉で言っても、それを実現してくれるのは企業の製品やサービスですので、人々の生活に大きく貢献している企業への投資も盛んにおこなわれるようになりました。

以下、デジタル・トランスフォーメーションとDXと略すこともあります。
ファンド概要
世界中で注目を集めているDX企業への投資ですが、これらの企業を集めて投資信託にしたのが、デジタル・トランスフォーメーション株式ファンドです。(愛称「ゼロ・コンタクト」)
先ほども簡単に紹介したように、この投資信託はDXを積極的に活用している銘柄を集めて中長期的に財産の成長を目指して運用するファンドです。
愛称が「ゼロ・コンタクト」となっている理由は、ITに関連する製品やサービスは非接触型なものも多く、新型コロナウイルスの流行によってその利用価値がより高まった事から「ゼロ・コンタクト=非接触」と関連付けているためです。
この投資信託の設定日は2020年7月となっており、ファンドとしてはまだまだ新しい商品です。
投資地域
2021年5月の最新運用レポートによると、投資地域で一番大きい割合を占めているのがアメリカの64.1%でその次が17.1%の中国、その次が5.6%の日本と続きます。

出典:マンスリーレポート
投資銘柄
投資銘柄の業種別構成で一番多い割合が、メディア・娯楽で36.1%、その次にソフトウェアサービスで35.9%、小売り10.6%となります。
それ以外ではヘルスケア機器・サービスや耐久消費財・アパレルもわずかながら含まれています。
投資信託は企業の株式の詰め合わせであり、このファンドの投資先銘柄数は2021年5月末時点で49銘柄となっています。(運用状況などで変動する事もあります。)
現在の組入上位10銘柄は以下の通りです。

出典:マンスリーレポート
ネット販売の開発や運営をしている「Shopify」やSNSで人気の「FACEBOOK」や「Twitter」、在宅勤務などのテレビ会議には欠かせない「ZOOM」があります。
手数料等
通常投資信託を購入する時は以下のコストが発生します。
信託報酬:ファンドの日々の純資産総額に対し年率1.7985%(税抜1.635%)
信託財産留保額:なし
それぞれ簡単に解説していきますが、「購入時手数料」はその名の通り購入時に発生する金額の事で、その時のファンドの価格である「基準価額」に対して3.3%の手数料が発生します。
「信託報酬」は、ファンドを運用するファンドマネージャーに支払うコストの事で、年間1.7985%の金額が純資産の額から自動で差し引かれる事で間接的に投資家が負担する仕組みになっています。
「信託財産留保額」は、売却時に投資家が支払うお金の事ですがこのファンドにおいては発生しません。
投資リスク
どんな投資においても投資リスクは付き物ですが、デジタルトランスフォーメーション株式ファンドの投資については、以下のリスクがあります。
ちなみに投資においての「リスク」は危険という意味ではなく、振れ幅の大きさを意味する場合が多いです。
従って「リスクが大きい」という事は利益が出た時は大きく儲かり、損する時も大きく損する可能性があるという事になります。
1,価格変動リスク
これは投資信託全てにいえる事ですが、ファンドを買う人が多ければ価格は上昇し、売る人がいれば下落します。
ファンドの価格は投資家の財産に直結するので、ファンド価格が下落する事で資産価値が下がってしまうリスクがあります。
2,流動リスク
流動リスクは規模の小さい新興国など株式は相対的に規模の大きい新興国の株式よりも大きなリスクを受ける事があります。
これは絶対的な取引量や市場規模によるものなので、新興国の投資の割合が高いほどそのリスクも高くなります。
3,信用リスク
投資信託は複数の企業の株式が合わさったものですので、企業の信用が大きく毀損する事件が起きた場合には、ファンドの信用にも影響を与え価値が大きく目減りしてしまうリスクがあります。
4、為替変動リスク
こののファンドは海外の株式に投資するファンドですので、その企業の業績によってファンドの価値にも関連してきます。
例えばアメリカの企業はアメリカドルで取引を行い、アメリカドルで決算を行いますが、これを日本円に換算した時に為替の影響を大きく受けるという事になります。
そのため為替の変動によって利益が出たり損を被る事もあります。

一般的には円安になるとファンドの利益が大きくなり、円高になるとファンドの利益が小さくなる(損失になる)と言われています。
直近の「基準価額」と「純資産総額」の推移

出典:目論見書
上記はデジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)の「基準価額」と「純資産総額」の推移です。
基準価額はやや右肩上がりで、純資産総額は直近で少し下がっている傾向にあります。
このファンドの見通しとしてマンスリーレポートの一部を引用します。
つまり向こう10年はデジタル化やIT化がさらに進み、それに伴ってファンドも成長する期待が高いという事を表しています。
「ゼロ・コンタクト」は買うべきか?
ここまでデジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(ゼロ・コンタクト)について解説してきましたが、投資家の私から見ると買うべきとはいえない投資信託です。
その理由はこの投資信託が「アクティブ・ファンド」であり、手数料が高く長期投資にも向かないファンドであるためです。
投資信託には「アクティブ・ファンド」と「インデックス・ファンド」の2種類に分類されます。
アクティブファンドは市場平均以上の運用成績を出すために、金融のプロであるファンドマネージャーが積極的に株式等の売買を行うファンドです。
一方でインデックス・ファンドは、市場平均と連動するように半自動的かつ機械的に売買をする事で利益を出すファンドです。
一見するとアクティブ・ファンドの方が儲かりそうな印象を受けますが、アクティブ・ファンドはプロが運用しているため、その分信託報酬などの投資家が支払う手数料が高めに設定されています。
今回のデジタル・トランスフォーメーション株式ファンドは信託報酬が約1.8%と高めなのに対して、最近の低コストを謳っているインデックス・ファンドの信託報酬は0.1%代とかなり低めです。
また、10~30年以上の長期投資においてはアクティブ・ファンドよりもインデックス・ファンドの方が成績が良いというデータもたくさん出ているため、プロが運用するよりも市場に任せた方が良いという結論も出ています。
短期的に見ればアクティブ・ファンドの方が成績が良いファンドもありますが、長期的に運用をしていくならば手数料が安くて運用成績も良いインデックス・ファンドを買うべきと言えます。
それでも短期的に大きく儲けたいという人にはアクティブ・ファンドを買うのもアリかも知れませんが、リスクとリターンを正しく把握して投資をするようにしましょう。
まとめ
DX企業への積極的な投資が盛んになり、それに乗っかって様々なファンドが生まれています。
投資家にとって選択肢が増える事は良い事ですが「コレ、本当に買っても大丈夫?」というような怪しいファンドも多いのも事実です。
金融庁も銀行や証券会社が販売するファンドの手数料には厳しく目を光らせており、つみたてNISAの商品などは金融庁が厳選している商品ばかりなのでハズレも少ないです。
デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)は私にとっては必要なファンドではなく、今後も購入する予定もありません。
「じゃあどんな商品を買ったら良いの?」という疑問についても他の記事でも解説しているのでぜひご覧ください。

投資を通してみなさんのお役に立てれば幸いです。
世界経済はオフラインからオンラインへ、対面からデジタルへと移行しつつあります。娯楽と労働の両面において成長を牽引するのは、「ゼロ・コンタクト(非接触型)」やフリクションレス(手間やストレスがない状態)であるとみています。
この長期的なトレンドはモバイル・インターネットから始まり、新型コロナウイルスが世界で流行する間に加速し、消費者や企業の行動様式を恒久的に変化させたと考えています。
当ファンドでは、今後数十年の間にクラウド・コンピューティングや人工知能(AI)のようなテクノロジーによって、データ収集、分析、営業およびマーケティング、顧客サービスなどその他の頭脳労働が自動化されると見ています。
「SaaS」を用いたビジネスモデルの追い風を活かして、デジタル・トランスフォーメーション関連のソフトウェア市場は今後10年で飛躍的に成長するとみられます。