2024年からスタートした新NISA（少額投資非課税制度）は、非課税投資枠が恒久化され、投資家にとって非常に魅力的な制度です。
本記事では、その判断基準を税制・投資効率・将来の戦略の観点から解説していきます。
なぜ迷うのか？特定口座と新NISAの違い
特定口座は売却益や配当に課税（20.315%）されますが、新NISAは運用益が非課税になります。
つまり、長期投資を考えるなら「非課税枠で運用できる方が圧倒的に有利」なのは明らかです。
しかし、特定口座にすでに資産を持っている場合、売却時に課税されてしまうため、乗り換えの是非が問題になります。
特定口座を売却して新NISAに乗り換えるメリット
- 非課税枠での運用が可能になり、将来の税金負担を大幅に減らせる
- 配当金も非課税になるため、再投資効率が上がる
- ポートフォリオを整理する良い機会になる
売却のデメリット・注意点
- 売却時に含み益があれば課税される（約20%）
- 売却・買い直しのタイミングで相場変動リスクがある
- 新NISAの年間投資枠には上限があるため、一度に全額移せない
ケース別の判断ポイント
① 含み益が大きい場合
大きな含み益がある銘柄を売却すると、課税で資産が目減りしてしまいます。
この場合は、そのまま特定口座で保有を続けつつ、新規投資を新NISAで行うのが基本戦略になります。
② 含み損が出ている場合
含み損の資産は、売却して損益通算を行い、翌年以降の税金を軽減する戦略が有効です。
その上で、新NISAの枠で買い直せば、将来の利益を非課税で受け取れるチャンスが広がります。
③ 利益は小さいが整理したい場合
そこまで利益が大きくなく、今後の成長性も見込めない銘柄は、課税を受けても売却して新NISAに乗り換えるのが合理的です。
新NISAは無期限で保有可能なので、将来的に大きく差が出ます。
新NISAを優先すべき資産とは？
- 長期的に成長が見込めるインデックスファンド（例：全世界株式・S&P500）
- 安定して配当を生む高配当株・ETF
- 積立投資で複利効果を最大化できる商品
これらは非課税メリットが大きい資産なので、新NISA枠を優先的に使うのがおすすめです。
まとめ：焦らず戦略的に
新NISAは魅力的な制度ですが、特定口座の資産をすぐに売却してまで移すかどうかはケースによります。
含み益が大きい資産はキープしつつ、新規資金を新NISAに回すのが基本。
含み損や小さな利益の資産は、売却して乗り換えるのも有効です。
重要なのは、目先の税金ではなく、長期的な運用効率で判断することです。