近年、個人投資家の間で注目を集めているのがレバレッジ型投資信託です。少額の投資で大きな値動きを狙えるという魅力から、投資初心者の方も興味を持つケースが増えています。
しかし、「レバレッジだから儲かるに違いない！」と安易に飛びつくのは危険です。
この記事では、レバレッジ型投資信託の仕組みからメリット・デメリット、投資する際の注意点まで、初心者にも分かりやすく徹底解説します。
レバレッジ型投資信託とは？仕組みをおさらい
レバレッジ型投資信託とは、対象となる指数（日経平均やS&P500など）の値動きを2倍、3倍にすることを目指して運用される投資信託です。
例えば日経平均が1％上昇した場合、2倍レバレッジの投資信託はおよそ2％上昇を目指す運用を行います。
この仕組みを活用することで、相場が上昇する局面では短期間で大きなリターンを狙うことができます。
レバレッジ型投資信託のメリット
1. 短期間で大きなリターンを狙える
通常の投資信託に比べ、価格変動が大きいため短期で利益を得るチャンスがあります。
例えば、短期で指数が10％上昇すれば、2倍レバレッジ商品では20％程度のリターンも期待できます。
2. 資金効率が良い
少額投資でも大きな値動きに連動できるため、限られた資金で投資効果を高めたい投資家に人気です。
3. 下落局面でも利益を狙えるインバース型も存在
レバレッジ型投資信託には「インバース型」と呼ばれる、指数が下がったときに基準価額が上がる商品もあります。相場が下落局面にあるときのリスクヘッジとして使う投資家も増えています。
レバレッジ型投資信託のデメリット
1. 長期投資に不向き
レバレッジ型投資信託は短期運用を前提に作られています。複利効果やボラティリティ・ドラッグ（基準価額が振り回される現象）により、長期で保有すると期待したパフォーマンスにならない可能性が高いです。
特に相場が上下に大きく振れる局面では、基準価額が徐々に目減りする恐れがあります。
2. 手数料が高め
運用コストが高めに設定されている商品が多い点も注意です。信託報酬が年率1％を超えるものも珍しくありません。
短期で利益を出せなければ、手数料負けするリスクもあります。
3. 想定外の価格変動リスク
レバレッジ倍率が大きいため、指数が下落した際には損失も大きくなります。
わずか数％の指数の下落で、基準価額が大きく下落するケースもあり、初心者にはリスクが高い投資手法といえます。
レバレッジ型投資信託に向いている人とは？
レバレッジ型投資信託は、以下のような投資家に向いています：
- 短期で勝負したいトレーダー
- 相場観に自信があり、リスクを取れる人
- 相場が明確に上昇トレンドにあると見ている人
一方で、長期投資家やリスクが苦手な方には向いていません。
レバレッジ型投資信託で失敗しないためのポイント
1. 短期勝負を徹底する
レバレッジ型投資信託は長期で保有せず、数日〜数週間程度で売買するのが基本です。
2. 投資額を抑える
全資産をレバレッジ商品につぎ込むのは危険です。ポートフォリオの数％程度にとどめ、リスクをコントロールしましょう。
3. 必ず分散投資を心掛ける
レバレッジ型投資信託は値動きが激しいため、他の投資商品と組み合わせた分散投資が必須です。
まとめ｜レバレッジ型投資信託は慎重に活用しよう
レバレッジ型投資信託は短期間で大きなリターンを狙える魅力的な商品ですが、その反面、リスクも非常に大きい金融商品です。
もし挑戦するなら、投資額を抑え、短期決戦を徹底することが重要です。そして、自分の投資スタイルやリスク許容度をしっかり見極めることが成功の鍵といえるでしょう。
投資は自己責任。冷静な判断で、賢くレバレッジ型投資信託を活用してください！