最近、金融ニュースやSNSでも耳にするようになった「SPAC（スパック）」。
「新しい上場方法らしいけど、普通のIPOと何が違うの？」
「個人投資家として関係あるの？」
この記事では、そんな疑問をお持ちの方のために、SPACの仕組みやメリット・デメリット、日本市場への影響などをやさしく解説します。
SPAC（スパック）とは？
SPACは「Special Purpose Acquisition Company」の略で、買収を目的に設立された上場会社のことです。
簡単に言うと、「箱だけの会社（中身はなし）」を先に上場させて、あとから未上場企業を買収し、その企業を上場させる仕組みです。
SPACの流れは以下の通り：
- 投資家から資金を集め、SPACが上場
- 2年以内に買収する未上場企業を探す
- 買収成立後、SPACと統合し実質的に上場
通常のIPO（新規株式公開）よりも手間やコストが抑えられるため、急成長中のベンチャー企業に人気の手法となっています。
なぜ今SPACが注目されているのか？
SPACはコロナ禍以降、米国を中心にブームとなりました。テスラの元幹部や著名投資家などが設立したSPACが話題となり、個人投資家の関心も急上昇。
主な理由は以下の通りです：
- 企業が迅速に上場できる
- IPOよりも公開プロセスが簡易
- 投資家が新興企業に早期アクセスできる
SPACのメリット・デメリット
メリット
- スピード感： 通常のIPOより短期間で上場可能
- 柔軟性： 買収交渉により条件を調整できる
- プロの支援： 有名投資家や経営者が関与することで信頼感がある
デメリット・リスク
- 情報の透明性不足： 買収される企業の詳細が不明なままSPACに投資することがある
- 買収失敗の可能性： 2年以内に適切な買収先が見つからなければ清算される
- 過剰評価： 市場が過熱し、買収企業の価値が正当に評価されないことも
SPACと日本市場の関係は？
日本ではSPACによる上場は現在認められていませんが、2025年以降に制度導入の議論が活発化しています。
岸田政権の「スタートアップ育成5か年計画」にも、SPACの制度設計を検討する旨が盛り込まれており、将来的な導入に期待が高まっています。
海外SPACへの投資が主流となっている現状ですが、国内でもETFや関連ファンドで間接的に投資する方法もあります。
SPAC投資に向いている人は？
SPACは魅力的な一方で、投資リスクも高いため、以下のような方に向いています：
- ハイリスク・ハイリターンを狙いたい
- ベンチャー企業やスタートアップの成長に投資したい
- 海外の新興市場にも積極的に関わりたい
一方で、安定性を重視する方は、全世界株や米国株などのインデックスファンドを中心に構成するのが安心です。
まとめ｜SPACは知っておくべき“次世代上場モデル”
SPACは、今後の資本市場においてますます存在感を高めることが予想されます。
ハイリスクではあるものの、上手に活用すれば将来の有望企業にいち早く投資できる手段にもなり得ます。
日本でもSPAC制度の導入が進めば、NISA口座での投資対象にもなり得るため、今のうちに仕組みやリスクを正しく理解しておくことが大切です。
投資初心者の方はまずはインデックス投資などと併用しつつ、SPACの動向をウォッチしていきましょう！