楽天SCHDが不調でも手放すな!今が我慢時の理由とは?
最近、米国株高配当株型の投資信託である楽天SCHDに含み損を抱えている投資家が増えています。
「分配金も減少してきた」「基準価額が上がらないから売ろうか…」と迷う声も。
しかし、ここで焦って売却してしまうのは“機会の損失”になる可能性があります。本記事では、なぜ今こそ長期で保有すべきなのか、その裏側にある理由とリスク・対策を解説します。
楽天SCHDとは何か?
楽天SCHDは、米国の高配当株式ETF SCHD(シュワブ・米国配当株式ETF) を通じて、米国企業の中でも「10年以上連続配当」「配当成長」「財務健全性」などの条件を満たす銘柄約100社に分散投資を行う投資信託です。
設定日が2024年9月18日と比較的新しいファンドですが、信託報酬が0.1238%と低コストで、NISA成長投資枠の対象でもあります。
なぜ今「不調」に見えるのか?3つの主な理由
楽天SCHDが最近の相場で足を引っ張られている原因として、次のような要因が挙げられています。
- ① 銘柄入れ替えでエネルギー比率を増加させた
2025年3月の年次リバランスで、エネルギーセクターの比率が急増した影響で、原油価格・エネルギー株全体が軟調だったタイミングと重なり、パフォーマンスが悪化したという指摘があります。 - ② 配当志向ファンドとして高配当銘柄が重視されている
高配当株は景気循環やインフレ・金利変動に影響を受けやすいため、景気後退警戒や金利上昇局面では評価が下がりがちです。配当重視の構造ゆえの一時的な逆風とも言えます。 - ③ 為替・ドル高円安の影響を受ける
楽天SCHDは為替ヘッジなしの商品であるため、円高・ドル安が進むと円換算の基準価額が下がるリスクがあります。基準価額の下落にはこの為替リスクも影響しています。
それでも「手放すな」と言いたい理由
ではなぜ、これだけ逆風がある中でも手放さずに持ち続けた方が良いのか、次の5つの理由があります。
- 低コスト+合理的な分配戦略が魅力
信託報酬0.1238%という低コスト設計は長期投資において有利です。しかも、高配当株を厳選する構造は「インカム+キャピタルゲイン」の両立を目指せます。 - 割安調整の可能性あり
高配当・安定企業群は市場全体が下げる局面で調整を受けやすいものの、反転時には大きな上昇余地を持つ傾向があります。実際、あるレポートではSCHD(本家ETF)の保有銘柄平均で7〜61%の上昇余地が示されていました。 - 複利効果+再投資効果で将来の資産形成に貢献
今売却してしまうと、配当再投入や時間というアドバンテージを失います。長期で積立継続することで、複利の力を活かすことができます。 - 代替が容易ではないポジション形成
「高配当米国株+為替ヘッジなし」という特性は、他に似たコスト構造で代用できる商品も少なく、ポートフォリオの“穴埋め”としても価値があります。 - 今は“買い増し”の好機とも言える
不調だからこそ、成長のタイミングで買い増しできるチャンスとも関係性があります。投資初心者ほど、<逆張りで優位に立てる局面>と言えます。
保有しておく上での注意点・対策
ただし、保有し続けるにあたっては次のようなポイントも押さえておくべきです。
- 配当利回り・成長性を定期チェック
高配当株は配当継続性が重要です。銘柄入れ替えや運用方針の変化にも目を向けましょう。例えば、公益セクターの組入がほとんどないという批判もあります。 - 為替リスクヘッジを検討する
円高・ドル安が一気に進んだ場合、評価額に直結します。他商品の為替ヘッジあり商品との併用も有効です。 - ポートフォリオ内でのバランス維持
高配当型1本に偏るのではなく、成長株・インデックス・債券などと混ぜて“分散”を図るべきです。例えば、オルカン(全世界株式)投資なども併用検討を。 - “売る判断”のためのルールを決めておく
損切りライン・利益確定ライン・見直し時期などをあらかじめ決めておくことで、感情に流されにくくなります。
まとめ:今は「我慢の時」=長期勝負の準備期
楽天SCHDは今、調整局面にあると言えます。しかし、逆風の中だからこそ“仕込みのタイミング”でもあります。信託報酬が低く、高配当という魅力構造を備えている以上、急いで手放す理由は乏しいと考えます。
むしろ「時間を味方につける」こと、そして「配当+成長」を長く待つことが勝利の鍵です。
投資は短期的な「上がるか下がるか」のゲームではなく、時間と資金を活かした「資産形成の旅」です。今こそ楽天SCHDを“我慢の時”として理解し、次の成長ステージに備えましょう。
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